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馬面
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うまづら
ふりがな文庫
“
馬面
(
うまづら
)” の例文
家内中が、流行性感冒にかかったことなど一大事の如く書いて、それが作家の本道だと信じて疑わないおまえの
馬面
(
うまづら
)
がみっともない。
如是我聞
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
本堂と庫裡とをつなぐ板敷の間で、ずば抜けて背のひよろ長い、顔も劣らずに
馬面
(
うまづら
)
の、真白な
反
(
そ
)
つ
歯
(
ぱ
)
のすぐ目につく男が突立つてゐた。
医師高間房一氏
(新字旧仮名)
/
田畑修一郎
(著)
年の頃二十一、二、少々
馬面
(
うまづら
)
で、丈夫で、そのくせ意志が弱さうで
癇
(
かん
)
が強さうで、どう見ても戀患ひなどをしさうもない人柄です。
銭形平次捕物控:238 恋患ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
……それや拙者も、村にいた頃は、無智の仲間じゃったから、象山先生の
馬面
(
うまづら
)
が、
癪
(
しゃく
)
で、石を抛った事もあるが、
上方
(
かみがた
)
へ参って、分ったな。
脚
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一体
馬面
(
うまづら
)
で顔も胴位あろう、白い
髯
(
ひげ
)
が針を刻んでなすりつけたように生えている、
頤
(
おとがい
)
といったら
臍
(
へそ
)
の下に届いて、その
腮
(
あご
)
の
処
(
とこ
)
まで垂下って
政談十二社
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
大チャンの信じた「あの人」は、色が浅黒く、
馬面
(
うまづら
)
の女だった。年齢は、あきらかに三十を越しているように眺められた。
軍国歌謡集
(新字新仮名)
/
山川方夫
(著)
木刀を取り直して打とうとした途端、その鼠の顔が、不意に、
馬面
(
うまづら
)
のように大きくなったということ。
大菩薩峠:25 みちりやの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
洗い
晒
(
ざら
)
しの
印袢纏
(
しるしばんてん
)
に縄の帯。豆絞りの向う鉢巻のうしろ姿は打って付けの
生粋
(
いなせ
)
な
哥兄
(
あにい
)
に見えるが、こっちを向くと
間伸
(
まの
)
びな
馬面
(
うまづら
)
が真黒に日に焼けた、見るからの好人物。
芝居狂冒険
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
皺
(
しな
)
びた
馬面
(
うまづら
)
に大きな目がでれりとして薄気味悪い男だった。だがおや朝鮮人だなと私は思った。
光の中に
(新字新仮名)
/
金史良
(著)
三白の眼をすえ「
馬面
(
うまづら
)
」、とか「シャグマ」とかいって、ぎんを呼びたてるのだった。小間物の行商もとかく怠けがちだったが、そのうちどこで仕入れるのか信州綿というのに肩代りした。
鴻ノ巣女房
(新字新仮名)
/
矢田津世子
(著)
「話が変るけれど、河原君、君は
馬面
(
うまづら
)
のところへ行くかね?」
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
つねから、お前の
悧巧
(
りこう
)
ぶった
馬面
(
うまづら
)
が
癪
(
しゃく
)
にさわっていたのだが、これほど、ふざけた
奴
(
やつ
)
とは知らなかった。程度があるぞ、馬鹿野郎。
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
さう言つて裏木戸から顏を出したのは、五十七八の
馬面
(
うまづら
)
の老人、大して賢さうではありませんが、その代り此上もなく人は好ささうです。
銭形平次捕物控:143 仏喜三郎
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「次には、即刻ここを立退いて、二度と孟州の盛り場に
面
(
つら
)
を出すな。見つけたがさいご、その
馬面
(
うまづら
)
を引ン
捻
(
ね
)
じるぞ」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「成程。此方の
馬面
(
うまづら
)
は御存知ないんだね」
勝ち運負け運
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
年の頃二十一、二少々
馬面
(
うまづら
)
で、丈夫で、そのくせ意志が弱そうで
疳
(
かん
)
が強そうで、どう見ても恋患いなどをしそうもない人柄です。
銭形平次捕物控:238 恋患い
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「私は、すべて、ものごとを知っています。」と言いたげな、叡智の誇りに満ち満ちた
馬面
(
うまづら
)
に、私は話しかける。「そうして、君は、何をしたのです。」
碧眼托鉢:――馬をさへ眺むる雪の朝かな――
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
朝から縁起でもない
馬面
(
うまづら
)
が舞い込んで来たとは思いましたが、無理に金吾の寝心地を醒ますでもあるまいと、そっとかれの夜具を直してお粂が茶の間の方へ立って行って見ると
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そう言って裏木戸から顔を出したのは、五十七八の
馬面
(
うまづら
)
の老人、大して賢そうではありませんが、その代りこの上もなく人は好さそうです。
銭形平次捕物控:143 仏喜三郎
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
なるほど恐ろしい
長身
(
のっぽ
)
である。
椅子
(
いす
)
に掛けて突ン出しているその両脚は人の二倍もありそうだ。面も
馬面
(
うまづら
)
であり、紫ばンだ
疣々
(
いぼいぼ
)
だらけな皮膚に黄色いヒゲが唇の辺を巻いている。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
馬
常用漢字
小2
部首:⾺
10画
面
常用漢字
小3
部首:⾯
9画
“馬”で始まる語句
馬鹿
馬
馬鈴薯
馬丁
馬蹄
馬糞
馬子
馬車
馬士
馬酔木