飽氣あつけ)” の例文
新字:飽気
あまりによく知り過ぎて居る平次の言葉に、岩松は飽氣あつけに取られてその顏を眺めて居りましたが、思ひ直した樣子で、斯う續け出しました。
あしもとが本當ほんたうぢやねえからずんぶらのめつちやつたもんでさ、本當ほんたう飽氣あつけねえはなしで、それお内儀かみさんわしあね他人ひと死骸しげえ見付めつけて大騷おほさわぎしてらせにたら
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「おなじ年の八月です。たつた半年足らず遲かつただけ。實に飽氣あつけなかつたよ。」
(旧字旧仮名) / 島木健作(著)
あま仔細しさいのないことを、いて飽氣あつけなくおもふほど、唯吉たゞきちなほかゝる……むかしから語繼かたりつ言傳いひつたへるれいによると、たれにもたのまるゝ、當人たうにんが……じつてはらない姿すがたである場合ばあひおほい。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「どうしてもつちやべろ/\えて飽氣あつけなかんべえね」勘次かんじいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)