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飲代
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のみしろ
ふりがな文庫
“
飲代
(
のみしろ
)” の例文
旧字:
飮代
もろ
鯵
(
あじ
)
の開き、うるめ
鰯
(
いわし
)
の目刺など持ちましては、
飲代
(
のみしろ
)
にいたしますが、その時はお前様、村のもとの庄屋様、代々長者の
鶴谷
(
つるや
)
喜十郎様
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
おべんちゃらと、お
為
(
ため
)
ごかしを
混合
(
ごっちゃ
)
にして、けだもの茶屋の
飲代
(
のみしろ
)
ぐらいは、たしかにお松からせしめていることは疑うべくもありますまい。
大菩薩峠:18 安房の国の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
相当仕事はあるのだけれど、おやじがしようのない
呑
(
の
)
んだくれで、ついこの間も、上の娘をどこか遠くの宿場へ
飲代
(
のみしろ
)
に売りとばしてしまった。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
舁夫「御冗談仰しゃらずに、お
願
(
ねげ
)
えですから、ホンの
飲代
(
のみしろ
)
が有れば宜いんです、何うせ
帰
(
けえ
)
るんですからお安くやりやしょう」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
植えた木には、
樒
(
しきみ
)
や寒中から咲く赤椿など。百年以上の
百日紅
(
さるすべり
)
があったのは、村の
飲代
(
のみしろ
)
に植木屋に売られ、植木屋から粕谷の墓守に売られた。余は在来の雑木である。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
多寡が近所の矢場や小料理屋を
忌
(
いや
)
がらせて、幾らかの
飲代
(
のみしろ
)
をせびっているに過ぎない千次は、もとより度胸のある奴ではなかった。半七に嚇されて、彼は素直に白状した。
半七捕物帳:64 廻り灯籠
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
自分の身に著けてゐた赤い
長上衣
(
スヰートカ
)
をば、せいぜい値段の三が一そこそこで、その当時ソロチンツイの定期市に酒場を出してゐた猶太人のとこへ
飲代
(
のみしろ
)
の
抵当
(
かた
)
におくやうな羽目になつただよ。
ディカーニカ近郷夜話 前篇:03 ソロチンツイの定期市
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
引いて、一生
飲代
(
のみしろ
)
にも困るとなると、馬場要の猩々斎だって面白くないだろう
銭形平次捕物控:050 碁敵
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
そのなかには、貸本の筆耕をして
飲代
(
のみしろ
)
にありついているのもありました。四書五経の講義ができるぐらいのものもありました。
大菩薩峠:14 お銀様の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
どうです、おかみさん、そういった奴ですからね、どうせ
碌
(
ろく
)
なこッちゃ来やしません。いづれ
幾干
(
いくら
)
か
飲代
(
のみしろ
)
でございましょう。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
馬子になって
僅
(
わずか
)
な
飲代
(
のみしろ
)
を取って歩いてるんだが、ほんの命を
繋
(
つな
)
いでるばかりで仕様がねえのさ、賭博打の仲間へ這入る事も出来ねえから、只もう馬と
首引
(
くびっぴ
)
きだ
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
むかしは遊芸の浚いなどを催していると、
質
(
たち
)
のよくない町内の若い者や小さい遊び人などが押掛けて来て、なんとか引っからんだことを云って幾らかの
飲代
(
のみしろ
)
をいたぶってゆくことが往々ありました。
三浦老人昔話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
頂きます頂きます、
飲代
(
のみしろ
)
になら百両でも御辞退
仕
(
つかまつ
)
りまする儀ではござりませぬと、さあ飲んだ、飲んだ、
昨夜
(
ゆうべ
)
一晩。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
無頼漢が
飲代
(
のみしろ
)
を借りに来たのを役者が貸さなかったから、それで暴れ込んだのだという説もあります。
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
飲代
(
のみしろ
)
でも稼ごうという代物であって、必ずしも斬ろうというのが目的ではない、とは感づきましたけれども、ともかく、これだけの仕掛をするほどの図々しい奴だから
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
床屋風情にゃあ過ぎたものを借りやあがった、
襖
(
ふすま
)
の引手
一個
(
ひとつ
)
引剥
(
ひっぺが
)
しても、いっかど
飲代
(
のみしろ
)
が出来るなんと思って、薄ら寒い時分です、深川のお
邸
(
やしき
)
があんなになりました、
同一
(
おなじ
)
年の秋なんで。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
大道へ武士の魂を
抛
(
ほう
)
り出して、
飲代
(
のみしろ
)
にでもありつこうとする
代物
(
しろもの
)
のことだから、
恫喝
(
どうかつ
)
は利いても、腕は知れたものだろうとの予想が外れて、悠然として
此方
(
こっち
)
のかかるのを待っている
体
(
てい
)
は
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
今日の
飲代
(
のみしろ
)
にさえありつけば、この上の欲はねえ。
山吹
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
二人の
飲代
(
のみしろ
)
は、お銀様から預かった、財布からの支出に相違ない——兵馬はそんなことは知らないが、あまりの暢気千万に
呆
(
あき
)
れて、よし、それでは拙者が出向いて起して来るといって、旅装を整えて
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
飲
常用漢字
小3
部首:⾷
12画
代
常用漢字
小3
部首:⼈
5画
“飲”で始まる語句
飲
飲食
飲料
飲酒家
飲酒
飲干
飲水
飲物
飲乾
飲口