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食禄
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しょくろく
ふりがな文庫
“
食禄
(
しょくろく
)” の例文
「そのほうのことは、かねて惣兵衛より聴いておる、唯今の試合ぶりもあっぱれだった、
食禄
(
しょくろく
)
五百石で師範に召出したいと思うがどうか」
薯粥
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
孝「元は小出様の御家来にて、お
馬廻
(
うまゝわり
)
の役を勤め、
食禄
(
しょくろく
)
百五十石を頂戴致して居りました黒川孝藏と申しました」
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
幸いにして、なかるべき筈の一命をたもち、
父祖
(
ふそ
)
食禄
(
しょくろく
)
をうけてきた幕府へも、いささか報恩の労をつくし得たことは、法月家の
不肖児
(
ふしょうじ
)
弦之丞としてできすぎた
僥倖
(
ぎょうこう
)
。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「次に
訊
(
たず
)
ねるが、そこもとは柳沢家においていかなる身分であるか、また役名、
食禄
(
しょくろく
)
などはいかがであるか、うかがいたい」
山彦乙女
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
登野村は五十騎組から出た家がらで、
食禄
(
しょくろく
)
も少なく貧しくもあったが、
執政
(
しっせい
)
の
千坂対馬
(
ちざかつしま
)
にみとめられ、その奉行所でかなり重い役目を勤めていた。
日本婦道記:不断草
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
▼ もっと見る
「これまでの不行跡さ、直接には洗濯町あたりの借財がこじれたものらしい、
食禄
(
しょくろく
)
半減、五十日の謹慎というはなしだ」
竹柏記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
食禄
(
しょくろく
)
は千石、年はその時五十歳で、六年ほどまえに妻に先立たれて以来、屋敷には女の召使をひとりも置かず、男ばかりの殺風景な暮しをしている。
明暗嫁問答
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
親代々の
食禄
(
しょくろく
)
を守っていればよい、もはや合戦ということもない、士分の人々のそういう
偸安
(
とうあん
)
に対して、足軽たちは出世したいという希望があった。
足軽奉公
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
五十日ほど経ってから、休之助は役目を解かれたうえ
食禄
(
しょくろく
)
を半減された。「おぼしめすところこれあり」というだけで、
咎
(
とが
)
めの理由は示されなかった。
日本婦道記:藪の蔭
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
備前の国岡山の藩士に、
青地三之丞
(
あおじさんのじょう
)
という弓の達人がいた。
食禄
(
しょくろく
)
は三百石あまり、早く父母に死別したので、伯父にあたる青地三左衛門の後見で成長した。
備前名弓伝
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
彼は
千神市蔵
(
せんがみいちぞう
)
といって、その藩の勘定奉行所に勤めている、
食禄
(
しょくろく
)
は三百石、位置は物頭格で年は二十七歳だった。……彼はもう四半
刻
(
とき
)
もそこで待っていた。
葦
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
役に就かなければ(中老の家格に変りはないが)
食禄
(
しょくろく
)
は三分の一減らされる。生活はぎりぎりまでゆき詰った。
葦は見ていた
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「軍令にそむき、二百余の兵を
喪
(
うしな
)
った罪によって、切腹をも申付くべきところ、祥寿院さま(直政)以来の功にめんじ、
食禄
(
しょくろく
)
めしあげその身は追放に処す」
青竹
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
たびたび
食禄
(
しょくろく
)
を加増されたこと、胃を病んで半年ばかり寝たことなど、記すとすればそのくらいのものである。
日本婦道記:墨丸
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
食禄
(
しょくろく
)
は八千七百石、父の佐竹千五郎は筆頭年寄役である、由利江のほかに千之丞という異母弟がいるが、その千之丞も母親よりは彼女のほうに深くなついて
落ち梅記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
村山享書は
永蟄居
(
えいちっきょ
)
、
食禄
(
しょくろく
)
半減
(
はんげん
)
。野口行之助は
改易
(
かいえき
)
、
和泉図書
(
いずみずしょ
)
は親族預け、食禄三分の一減。笠井十兵衛は永蟄居、食禄半減。その他——ということであった。
艶書
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
藤右衛門は紀州徳川家の年寄役で、千石の
食禄
(
しょくろく
)
をとり、御勝手がかりという煩務をつとめとおして来た。
日本婦道記:松の花
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
新沼靱負は
会津
(
あいづ
)
蒲生
(
がもう
)
家の家臣で、
御蔵奉行
(
おくらぶぎょう
)
に属し、
食禄
(
しょくろく
)
二百石あまりで槍刀預という役を勤めていた。
日本婦道記:二十三年
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
典木は
食禄
(
しょくろく
)
千二百石であった。かかる不始末をしたからには当然その家名はつぶれ、妻子にも
咎
(
とが
)
めがある筈である。一般はそう思っていたが、殿さまはそうはしなかった。
思い違い物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
仕官をするばあいにも
食禄
(
しょくろく
)
の高がちがう、などということはそのほうの知ったことではない、そのほうはわしの代りに草庵へいって、勝手
気儘
(
きまま
)
に楽寝をしておればよいのだ
似而非物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
ここでは毎月一回、城中で重職会合がおこなわれるが、その会合の席にこの件が提出され、由良正七郎は
食禄
(
しょくろく
)
召上げ、領内から追放する、という意見におちつきそうになった。
醜聞
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
藩主はぜひぜひと譲らず、
食禄
(
しょくろく
)
は千石だすと云った。千石となると話はべつである。彼は胸がどきどきし、いよいよ時節が来たかと思って、夢のような幸福な気分に満たされた。
雨あがる
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
産工業の
萎縮
(
いしゅく
)
から物価は高騰と低落の板ばさみ、官は貢ぎを課し吏は賄賂を強要する、そこへもってきて大阪陣で死に損ねたり主人をうしなったり
食禄
(
しょくろく
)
を離れたりした浪人の群れが
艶妖記:忍術千一夜 第一話
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
身分は代々の寄合で、家格は相当なものだし、
食禄
(
しょくろく
)
も四百石あまり、祖父は勘定奉行を勤めた。……父の又左衛門は「せかちぼ」のため運上元締で終ったが、彼は沈着泰然としている。
百足ちがい
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
食禄
(
しょくろく
)
を賜わり
扶持
(
ふち
)
されてきた、これはもはや
掟
(
おきて
)
でも命令でもなく、血そのものに流れている伝統だ、理論ではいくらも勤王を叫ぶことができよう、しかしいざ
起
(
た
)
って行動に移ろうとすれば
新潮記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
早くから重役の子たちと交わっていたので、十七八になると上役に注目されだし、現在では奉行役所で筆頭書役を勤めている、もちろん身分も小姓組にのぼり、
食禄
(
しょくろく
)
も百七十石に加増された。
恋の伝七郎
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
坂本は浪人から取立てられた者で、
食禄
(
しょくろく
)
は六百石、目付役を勤めていた。
樅ノ木は残った:01 第一部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
戸田は物頭格で
食禄
(
しょくろく
)
も多くはない。彼は節子との結婚で、その点をかなり気にしている。節子がぜいたくにそだったからというのではなく、節子を愛するために貧乏をさせたくないというのである。
おばな沢
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
べっして大切なるお役目ちゅう、私の争いによって
刃傷
(
にんじょう
)
に及びたる始末、重罪をも申付くべきところ、即座に自裁して
責
(
せめ
)
を負いたる仕方しんみょうに思召され、よって
食禄
(
しょくろく
)
召上げ遺族には領内追放を
日本婦道記:箭竹
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
食
常用漢字
小2
部首:⾷
9画
禄
漢検準1級
部首:⽰
12画
“食”で始まる語句
食
食物
食卓
食事
食客
食堂
食膳
食餌
食料
食指