“偸安”の読み方と例文
読み方割合
とうあん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
親代々の食禄しょくろくを守っていればよい、もはや合戦ということもない、士分の人々のそういう偸安とうあんに対して、足軽たちは出世したいという希望があった。
足軽奉公 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
世界の歴史にも往々おうおう見ることだが、他の力を当てにして一日の偸安とうあんを計るということが一番おそるべしだ。これは支那の歴史にはいくつもその例がある。
これは一面において科学的思想の涵養かんようの不足をものがたると共に、他面においては上述の多年の偸安とうあん的な習性が災いしているのではないかと考えられる。
日本文化と科学的思想 (新字新仮名) / 石原純(著)