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飛燕
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ひえん
ふりがな文庫
“
飛燕
(
ひえん
)” の例文
離れて、郷里にあるうちは、毎日のように、錦帯橋の
畔
(
ほとり
)
へ出て、
飛燕
(
ひえん
)
を斬って大太刀のつかいようを工夫されたと仰っしゃったな
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
飛燕
(
ひえん
)
のごとく跳ぶ又平。だだだ! 足音が乱れて、が! ぱちり‼ 刃と木剣と鳴る、瞬時にして権六が真っ向を打たれた。
半化け又平
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
ブルッと
血顫
(
ちぶる
)
いした葉之助、そのまま前庭を突っ切ると、正面に立っている古代造り、久田の姥の住む館へ、
飛燕
(
ひえん
)
のように飛び込んで行った。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
深海色
(
ふかみいろ
)
にぼかした模様の
錦紗縮緬
(
きんしゃちりめん
)
の着物に、黒と緑の
飛燕
(
ひえん
)
模様の帯を締めた夫人は、そのスラリと高い
身体
(
からだ
)
を、くねらせるように、椅子に落着けた。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「ハ、ハッ、昔の
褒姒
(
ほうじ
)
、
飛燕
(
ひえん
)
、
貴妃
(
きひ
)
などいう絶世の美人は、悉くそうして選び出されました」
奇談クラブ〔戦後版〕:10 暴君の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
燕子花は町によく売って居る
飛燕
(
ひえん
)
草の類で、学名は Delphinium grandiflorum L. var. chinense Fisch というのです。
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
女のからだはまっぷたつと思いきや!
飛燕
(
ひえん
)
のごとくに飛びあがったそのすばやさ! つぎの瞬間には将監の頭上で身をおどらし、うしろ横手で、もう懐剣をかまえております。
亡霊怪猫屋敷
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
沈光
(
ちんくわう
)
頂
(
いたゞき
)
よりひつくりかへりざまに
梯子
(
はしご
)
を
控
(
ひか
)
へたる
綱
(
つな
)
を
握
(
にぎ
)
り、
中空
(
なかぞら
)
より
一
(
ひと
)
たび
跳返
(
はねかへ
)
りて
劍
(
けん
)
を
揮
(
ふる
)
ふと
云
(
い
)
へり。それ
飛燕
(
ひえん
)
は
細身
(
さいしん
)
にしてよく
掌中
(
しやうちう
)
に
舞
(
ま
)
ふ、
絶代
(
ぜつだい
)
の
佳人
(
かじん
)
たり。
沈光
(
ちんくわう
)
は
男兒
(
だんじ
)
のために
氣
(
き
)
を
吐
(
は
)
くものか。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
しかし、もっと
迅
(
はや
)
かったのは、
少年郎
(
わかもの
)
の姿だった。
飛燕
(
ひえん
)
の
業
(
わざ
)
といってよい。武松の
柄
(
つか
)
の手をばッと間髪に蹴上げていた。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
横へかわした九十郎が、踏み込もうとした背後から、織江が
飛燕
(
ひえん
)
飛びかかった。
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
親方の玉川權之助が、頭の上に兩手を突き上げると、そのてのひらの上で、
蝶々
(
てふ/\
)
のやうに踊るんです。——
唐土
(
もろこし
)
の何んとか言ふ殿樣か大名の
后
(
きさき
)
に、
飛燕
(
ひえん
)
といふ美しい女があつたんですつてね。
銭形平次捕物控:210 飛ぶ女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
肩技
(
かたわざ
)
、背技、膝技から、
尖飛
(
せんぴ
)
、
搭舞
(
とうぶ
)
ノ法などと呼ぶ五体十部の基本の上に、八十八法の細かい型があって、
飛燕
(
ひえん
)
、
花車
(
かしゃ
)
、
龍鬂
(
りゅうびん
)
、
搏浪
(
はくろう
)
、
呑吐星
(
どんとせい
)
、などさまざまな秘術もある。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
弦之丞の身は
飛燕
(
ひえん
)
のごとくかわっていた。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
飛燕
(
ひえん
)
の
小躯
(
しょうく
)
に観衆はわき立ち、
李逵
(
りき
)
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“飛燕”の意味
《名詞》
飛燕 (ひえん)
飛んでいる燕。
武道などで燕のように素早く身をひるがえすこと。
(出典:Wiktionary)
飛
常用漢字
小4
部首:⾶
9画
燕
漢検準1級
部首:⽕
16画
“飛燕”で始まる語句
飛燕草