“ひえん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
飛燕66.7%
飛檐11.1%
秘園5.6%
非怨5.6%
飛焔5.6%
飛簷5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
飛燕ひえんのごとく跳ぶ又平。だだだ! 足音が乱れて、が! ぱちり‼ 刃と木剣と鳴る、瞬時にして権六が真っ向を打たれた。
半化け又平 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
両人ともに言葉なくただ平伏ひれふして拝謝おがみけるが、それより宝塔とこしなえに天にそびえて、西よりれば飛檐ひえんある時素月を吐き、東より望めば勾欄こうらん夕べに紅日を呑んで、百有余年の今になるまで
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
とは思っているが、去年、北国攻めの凱旋がいせんと共につれ帰った——浅井長政のわすれがたみで、故信長の妹、お市の方のむすめ達三人を——秘園ひえんの花とで育てている。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
秀吉がいま、温室の花として、三の丸の秘園ひえんにその育ちを待っている三人の姫もいた。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
青山せいざん愛執あいしゅうの色に塗られ、」「緑水りょくすい非怨ひえんの糸を永くく」などという古人の詩を見ても人間現象の姿を、むしろ現象界で確捕出来ず所詮しょせん
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
祝彪しゅくひょうあかい姿が、飛焔ひえんのごとく、李応りおうへせまった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
飛簷ひえん傑閣隙間なく立ち並びて、そのくもりなきこと珠玉の如く、その光あること金銀の如く、紫雲棚引き星月かゝれり。にこの一幅の畫圖の美しさは、譬へば長虹をちてこれをいろどりたる如し。