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飄然
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へうぜん
ふりがな文庫
“
飄然
(
へうぜん
)” の例文
ボオドレヱルは「自我崇拝閣下」と
綽名
(
あだな
)
された。けれども一方、会衆の前に
飄然
(
へうぜん
)
として出て来て、「君、赤ン坊の脳髄を食つたことがありますか」
夭折した富永太郎
(新字旧仮名)
/
中原中也
(著)
椿三千麿の春木道夫は、多與里とあんなに親しくして居ましたが、何を感じたか、
飄然
(
へうぜん
)
として増田屋を去つてしまつたのは一と月ほど後のことでした。
銭形平次捕物控:261 弱い浪人
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
あさはかな心の虫の
焦
(
いら
)
つを抑へかねて、一書を急飛し、
飄然
(
へうぜん
)
家を出でゝ
彼幻境
(
かのげんきやう
)
に向ひたるは去月二十七日。
三日幻境
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
船
(
ふね
)
の
港
(
みなと
)
に
着
(
つ
)
きけるまで
懇
(
ねんごろ
)
に
説聞
(
ときき
)
かして、
此
(
この
)
殺身爲仁
(
さつしんゐじん
)
の
高僧
(
かうそう
)
は、
飄然
(
へうぜん
)
として
其
(
その
)
名
(
な
)
も
告
(
つ
)
げず
立去
(
たちさ
)
りにけり。
旅僧
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
『これで
可
(
よ
)
し、
殘
(
のこり
)
の
竅
(
あな
)
の
數
(
かず
)
が
貴君
(
あなた
)
の壽命だ、
最早
(
もう
)
これでお
暇
(
いとま
)
と
致
(
いた
)
さう』と
飄然
(
へうぜん
)
老叟
(
らうそう
)
は
立去
(
たちさつ
)
て
了
(
しま
)
つた。
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
▼ もっと見る
我がリヒヤード・ワグネルも亦、愛妻ミンナと愛犬ルツスを
率
(
ひき
)
ゐ、
飄然
(
へうぜん
)
として祖国を去つて
巴里
(
パリー
)
に入るや、淋しき冷たき
陋巷
(
ろうかう
)
の
客舎
(
かくしや
)
にありて
具
(
つぶ
)
さに衣食の為めに労苦を
嘗
(
な
)
めぬ。
閑天地
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
手を
拱
(
こま
)
ねきて蒼穹を察すれば、我れ「我」を
遺
(
わす
)
れて、
飄然
(
へうぜん
)
として、
襤褸
(
らんる
)
の如き「時」を脱するに似たり。
一夕観
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
こいつを
軍鷄籠
(
とうまるかご
)
に乘せて、宿々の人足に世話を燒かせ乍ら、江戸まで持つて來るのはあまりにも馬鹿/\しく平次は大舌打を一つ殘して、
飄然
(
へうぜん
)
と江戸へ歸つて來る外はありませんでした。
銭形平次捕物控:188 お長屋碁会
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
飄然
(
へうぜん
)
とふるさとに来て
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
飄然
(
へうぜん
)
と家を
出
(
い
)
でては
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
飄
漢検1級
部首:⾵
20画
然
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
“飄”で始まる語句
飄々
飄
飄逸
飄々乎
飄乎
飄泊
飄零
飄客
飄散
飄亭