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がんけん
ふりがな文庫
“
頑健
(
がんけん
)” の例文
夫のように
頑健
(
がんけん
)
で抵抗力の強い人は自分達のような
華奢
(
きゃしゃ
)
で病気に罹り
易
(
やす
)
い者の気持が分らないのだと云う考があり、貞之助の方には
細雪:01 上巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
父や祖父から
頑健
(
がんけん
)
な体格を受け継いでいた。一家の者は弱虫でなかった。病気であろうとあるまいと、決して愚痴を言わなかった。
ジャン・クリストフ:03 第一巻 曙
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
ただ、すこし違うのは、何か悪い、陰険な感じをうける顔ではなくて、
陽
(
ひ
)
にやけた、
頑健
(
がんけん
)
そうな頬と、にこにこした人なつっこい笑いだった。
秘境の日輪旗
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
亭主のテナルディエの方は、背の低い、やせた、色の青い、角張った、骨張った、微弱な、見たところ病気らしいが実はすこぶる
頑健
(
がんけん
)
な男であった。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
弓のように腰は曲がっているが、まだ
頑健
(
がんけん
)
さを、肩の骨ぐみに失わない老武士が、
紙緒
(
かみお
)
の
草履
(
ぞうり
)
を静かに運んで来て
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
二人とも
日常
(
ひごろ
)
非常に
壮健
(
じょうぶ
)
なので——
病
(
わず
)
らっても須磨子が
頑健
(
がんけん
)
だと、驚いているといっていたという、看病人の抱月氏の方がはかばかしくないようだった。
松井須磨子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
馬籠
(
まごめ
)
本陣の吉左衛門なぞがもはやこの世にいないばかりでなく、同時代の旧友であれほどの
頑健
(
がんけん
)
を誇っていた金兵衛まで七十四歳で
亡
(
な
)
き人の数に入ったが
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
闥
(
ドーア
)
を
排
(
はい
)
して這入って来るや否や、どうだ相変らず
頑健
(
がんけん
)
かねと聞かざるを得なかったくらいである。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
粗食
(
そしょく
)
がいいです。私なぞはぜいたくをしませんから、この年になってもこのとおり
頑健
(
がんけん
)
です」
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「僕は
狐雲野鶴
(
こうんやかく
)
だ、どこときまった所はないが、君と別れた後も幸に
頑健
(
がんけん
)
だったよ。」
成仙
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
歯は十枚ばかりしか残っていなかったが、それで強く
噛
(
か
)
みしめることができた。食卓についた様子を見ると心強かった。
頑健
(
がんけん
)
な食欲をもっていた。
ジャン・クリストフ:04 第二巻 朝
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
その明らかな目つき、しっかりした語調、両肩の
頑健
(
がんけん
)
な動き、それらのうちには死と不調和なものがあった。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
実はさしもに
頑健
(
がんけん
)
を誇った此の老人も、一二年此のかた
漸
(
ようや
)
く体力が衰え始め、何よりも性生活の上に争われない證拠が見え出して来たので、それを自覚する老人は
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
熱しるに理性をともなわない血液と
頑健
(
がんけん
)
な肉体と——
狂
(
きょう
)
にちかい情涙の持ち主ときている。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
クリストフは、悲しみの中や不正や憎悪の中にあってさえ楽天的になりがちな、あふれるほどの活力と心身の
頑健
(
がんけん
)
さとを、多少オリヴィエのうちに注ぎ込んだ。
ジャン・クリストフ:09 第七巻 家の中
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
悪を消化しつくしたので、更にひどい悪を渇望していた。浮浪少年から無頼漢となり、無頼漢から強盗と変じたのである。やさしく、女らしく、品があり、
頑健
(
がんけん
)
で、しなやかで、かつ
獰猛
(
どうもう
)
だった。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
昨日その医院へ入院して手術をした、幸い経過良好で、当人は至極元気にしており、僕に構わんと東京へ行っていらっしゃいと云ってくれるので、折角支度したことでもあるし、平素から
頑健
(
がんけん
)
な
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
政治家や
耽美
(
たんび
)
家や社会学者がそれに
接
(
つ
)
ぎ木されることは、おかしな変形だと思っていた。それでも彼は、この
頑健
(
がんけん
)
な人が他人に地位を譲ったのが理解できなかった。
ジャン・クリストフ:09 第七巻 家の中
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
父や祖先の足が、
将
(
まさ
)
に崩壊せんとしてるこの
息子
(
むすこ
)
の身体をささえていた。
頑健
(
がんけん
)
な父祖の支力が、あたかも馬が騎士の死体を運ぶように、くじけたこの魂を支持していた。
ジャン・クリストフ:11 第九巻 燃ゆる荊
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
他の熟練家らよりも彼女のまさってる点は、その肉体上および精神上の
頑健
(
がんけん
)
な平衡であった。私的熱情のない彼女の生の豊満のうちに、他人の熱情は花を咲かすべき
肥沃
(
ひよく
)
な土地を見出していた。
ジャン・クリストフ:10 第八巻 女友達
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
そして発見の歩を進めるに従って、まだ不定不均衡ではあるがしかし
頑健
(
がんけん
)
果敢な一つの力を、クリストフのうちに見出した。彼女は力の
稀有
(
けう
)
なことをだれよりもよく知っていたから、それを喜んだ。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
それから身体の
頑健
(
がんけん
)
な骨組み、などを彼は見てとった。
ジャン・クリストフ:11 第九巻 燃ゆる荊
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
“頑健”の意味
《名詞》
頑健(がんけん)
頑丈で壮健なこと。
(出典:Wiktionary)
頑
常用漢字
中学
部首:⾴
13画
健
常用漢字
小4
部首:⼈
11画
“頑”で始まる語句
頑固
頑
頑丈
頑張
頑是
頑強
頑迷
頑冥
頑愚
頑童