青雲せいうん)” の例文
(七九)閭巷りよかうひとおこなひてんとほつするものは、(八〇)青雲せいうんくにあらずんば、いづくんぞく(名ヲ)後世こうせいかん
「娘の方も嫌ひぢやない樣で——尤も左母次郎といふのは、青雲せいうんとか何んとか言ふ、彫物の戒名かいみやうのある男で——」
氏の挙動きょどうも政府の処分しょぶんも共に天下の一美談びだんにして間然かんぜんすべからずといえども、氏が放免ほうめんのちに更に青雲せいうんの志を起し、新政府のちょうに立つの一段に至りては
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
私等の逃げて来たのは(かれ等は親の許さぬのに、青雲せいうんこゝろざしに堪へかねて脱走して来たのである)
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
仰げよ萬世一系の皇統、巍々ぎぎたる皇謨くわうぼは無限にす。ああ、八かう肇國てうこく青雲せいうんは頭上にある。
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
宿昔青雲志、蹉跎白髪年、誰明鏡裏、形影自相憐宿昔しゅくせき 青雲せいうんこころざし蹉跎さたす 白髪はくはつとし。誰か知る明鏡めいきょううち形影けいえいみずかあいあわれむ〕とはこれ人口に膾炙かいしゃする唐詩なり。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
老母よろこび迎へて、吾が子四五不才にて、まなぶ所時にあはず、四六青雲せいうんの便りを失ふ。ねがふは捨てずして伯氏あにたる教をほどこし給へ。赤穴拝していふ。四七大丈夫は義を重しとす。
わば青雲せいうんの志をほのかながら胸に抱いていたのでございますから、たとい半狂乱の譫言うわごとにもせよ、悪魔だの色魔だの貞操蹂躙だのという不名誉きわまる事を言われ、それが世間の評判になったら
男女同権 (新字新仮名) / 太宰治(著)
氏は新政府に出身してただに口をのりするのみならず、累遷るいせん立身りっしんして特派公使に任ぜられ、またついに大臣にまで昇進し、青雲せいうんこころざしたっし得て目出度めでたしといえども
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)