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青蛙
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あおがえる
ふりがな文庫
“
青蛙
(
あおがえる
)” の例文
今夜、フランス製、百にちかい
青蛙
(
あおがえる
)
あそんでいる模様の、紅とみどりの絹笠かぶせた電気スタンドを、十二円すこしで買いました。
虚構の春
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
ゆうべの
夢見
(
ゆめみ
)
が
忘
(
わす
)
れられぬであろう。
葉隠
(
はがく
)
れにちょいと
覗
(
のぞ
)
いた
青蛙
(
あおがえる
)
は、
今
(
いま
)
にも
落
(
お
)
ちかかった三
角頭
(
かくとう
)
に、
陽射
(
ひざ
)
しを
眩
(
まば
)
ゆく
避
(
さ
)
けていた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
暑い晩に、泡鳴は半裸体で原稿を書き、彼女は
傍
(
かたわら
)
でルビを振っている。と、
青蛙
(
あおがえる
)
が飛び込んで来た。泡鳴は
団扇
(
うちわ
)
で追いまわし、清子も手伝った。
遠藤(岩野)清子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
金庫の
錠前
(
じょうまえ
)
がギイギイって音を立てるのが聞こえるんだ。夕方だろう、それが……。まるで
青蛙
(
あおがえる
)
が鳴くみたいさ。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
『
東武談叢
(
とうぶだんそう
)
』その他の
聞書
(
ききがき
)
に見えているのは、慶長十四年の四月四日、駿府城内の御殿の庭に、
弊衣
(
へいい
)
を着し乱髪にして
青蛙
(
あおがえる
)
を食う男、
何方
(
いずかた
)
よりともなく現れ来る。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
▼ もっと見る
庭の柿の幹に
青蛙
(
あおがえる
)
の
啼声
(
なきごえ
)
がきこえて、
銀
(
しろがね
)
のような大粒の雨が
遽
(
にわか
)
に青々とした若葉に降りそそいだりした。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
梟
(
ふくろう
)
は
木槵樹
(
もくろじゅ
)
の梢を降りて来た。そして、
嫁菜
(
よめな
)
を踏みながら
群
(
むらが
)
る
薏苡
(
くさだま
)
の下を
潜
(
くぐ
)
って
青蛙
(
あおがえる
)
に飛びついた。
日輪
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
「ああ、
青蛙
(
あおがえる
)
だね。何で
這入
(
はい
)
って来たのかねえ——こら! 青蛙、なにしに来た?」
蛙
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
雨彦 ……僕、……
青蛙
(
あおがえる
)
の皮をむいて、赤蛙だよって云って、みんなにみせた。……
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
青蛙
(
あおがえる
)
を見ると口がきけなくなるという蛙の良導体みてえな、豪傑があったではないか! と、理屈の一つもヒネクリたくなるのであるが、何と
詭弁
(
きべん
)
を
弄
(
ろう
)
しても、結局は臆病なるが故の
雷嫌いの話
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
この夕立の
大合奏
(
サンフォニー
)
は
轟
(
とどろ
)
き渡る
雷
(
いかずち
)
の
大太鼓
(
おおだいこ
)
に、強く高まるクレッサンドの調子
凄
(
すさま
)
じく、やがて優しい
青蛙
(
あおがえる
)
の笛のモデラトにその
来
(
きた
)
る時と同じよう忽然として
掻消
(
かきけ
)
すように
止
(
や
)
んでしまいます。
監獄署の裏
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
一匹の
青蛙
(
あおがえる
)
がいつもそこにいた。電燈の真下の電柱にいつもぴったりと身をつけているのである。しばらく見ていると、その青蛙はきまったように後足を変なふうに曲げて、背中を
掻
(
か
)
く
模
(
ま
)
ねをした。
闇の絵巻
(新字新仮名)
/
梶井基次郎
(著)
広縁のゆっくり取ってある、
廂
(
ひさし
)
の深い書院のなかで、たまに物を書きなどしていると、
青蛙
(
あおがえる
)
が鳴き立って、窓先にある柿や
海棠林檎
(
かいどうりんご
)
の若葉に雨がしとしと
灑
(
そそ
)
いで来る。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
車馬の
轟
(
とどろ
)
きはめったに聞こえず、人が尋ねてくるではなし、昼間家の中を
青蛙
(
あおがえる
)
が飛んでいるし、道ばたの小家に
簾
(
すだれ
)
を釣って、朝、夜明から戸をあけて
蚊帳
(
かや
)
は釣りっぱなしで寝ていると
旧聞日本橋:12 チンコッきり
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
青
常用漢字
小1
部首:⾭
8画
蛙
漢検準1級
部首:⾍
12画
“青蛙”で始まる語句
青蛙神
青蛙堂