金太郎きんたろう)” の例文
むかし、金太郎きんたろうというつよ子供こどもがありました。相模国さがみのくに足柄山あしがらやま山奥やまおくまれて、おかあさんの山うばといっしょにくらしていました。
金太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
夏の炎天えんてんではないからよいようなものの跣足すあしかぶがみ——まるで赤く無い金太郎きんたろうといったような風体ふうていで、急足いそぎあしって来た。
雁坂越 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「ほんとうです。金太郎きんたろうさんが、おきのようですから、あげたのです。」と、きんさんは、わらってこたえました。
春風の吹く町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
直に其の頃探偵捕者とりものの名人と呼ばれた金太郎きんたろう繁藏しげぞうという二人の御用聞を呼寄せて、御用の旨を申含めました。
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
それからは金太郎きんたろうは、毎朝まいあさおかあさんにたくさんおむすびをこしらえていただいて、もりの中へかけて行きました。金太郎きんたろう口笛くちぶえいて
金太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
ぼく昨夜ゆうべ金太郎きんたろうさんのゆめたから、んできたんだよ。」と、りょうちゃんは、一人ひとりでした。
春風の吹く町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
びますと、くまかしらに、鹿しかさるやうさぎがのそのそ出てました。金太郎きんたろうはこの家来けらいたちをおともれて、一にち山の中をあるきまわりました。
金太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「そんなに金太郎きんたろうさんきですか。あんたにあげましょう。」と、きんさんは、ふる絵本えほんりょうちゃんにあたえました。りょうちゃんは、おどりがるようにして、よろこんでかえりました。
春風の吹く町 (新字新仮名) / 小川未明(著)