酋長しうちやう)” の例文
「トバスキー酋長しうちやう、徳望あり。眼光炯々けいけいたるも物を言ふこと少しく遅し、ゲンゾスキー財産家、物を言ふこと少しく遅けれども眼光炯々たり。」
酋長しうちやうから買取かひとつて、和蘭陀オランダの、貴公子きこうしが、うちおくりものにした——うね、おまへさんの、あの、御先祖ごせんぞふと年寄染としよりじみます、時分じぶんわかいのよ。
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
二人は土人の酋長しうちやうから大きな丸木舟をかりました。そして十六人の漕手、二人の炊事係、二人の案内人をのせ、必要な品物を充分に積み込んで、ウヂヂの岸から北へ進みました。
アフリカのスタンレー (新字旧仮名) / 豊島与志雄(著)
肉桂は小喬木せうけうぼくで、昔は安南の宮廷用として、とされて、民間の伐採は自由ではなかつたので、山地住民のモン族の酋長しうちやうが、安南の官辺から、伐採許可証を貰つて肉桂をとりに行つたものである。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
道頓堀だうとんぼりから糸屋いとやむすめ……女朝日奈をんなあさひなしまめぐりで、わしが、ラバさん酋長しうちやうむすめ、と南洋なんやう大氣焔だいきえん
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
次に土人の酋長しうちやうへの贈物や交易品としては、羅紗、キャラコ、真鍮しんちゆうの針金、首飾りの硝子玉など。それから武器には、長短の小銃、剣や槍など。なほ、二頭の乗馬と二十七頭の驢馬。
アフリカのスタンレー (新字旧仮名) / 豊島与志雄(著)
主人しゆじんは、支那しな福州ふくしう大商賈おほあきんどで、きやくは、それも、和蘭陀オランダ富豪父子かねもちおやこと、しま酋長しうちやうなんですがね、こゝでね、みんながね、たゞひとツ、それだけにいて繰返くりかへしてはなしてたのは、——のね
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
和蘭陀オランダのはさわがなかつたが、蕃蛇剌馬ばんじやらあまん酋長しうちやうは、おび手繰たぐつて、長劍ちやうけんつかけました。……のお夥間なかまです……ひと賣買うりかひをする連中れんぢうは……まあね、やり給仕きふじが、これあわてて受取うけとつたつて。
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)