見直みなお)” の例文
このらせが、ひとたびむらつたわると、むら人々ひとびとは、いまさら、英雄えいゆう少年時代しょうねんじだい見直みなおさなければならなかったのです。
からす (新字新仮名) / 小川未明(著)
ふとるとそのかおは、人間にんげんではなくって、たしかにきつねかおでした。子供こどもはびっくりして、もう一見直みなおしましたが、やはりまぎれもないきつねかおでした。
葛の葉狐 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
そうおもって、一退しりぞいて見直みなおしますと、良人おっと矢張やはもととおりはっきりした姿すがたで、切株きりかぶこしかけてるのです。
蛾次郎は自分の顔がポッと赤くなったかと思って、どぎまぎと眼をまよわせたが、また見直みなおすと、それどころじゃない、琴台の前にいるのは咲耶子さくやこではないか。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「よかろう、もうその位で……。八時出発は分ったが、目的地は何処かね。服装の準備のこともあるからね」というと、白木は案外だという顔付で、私を見直みなおして、にこにこしながら
暗号音盤事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ついに一たことのない、中村松江なかむらしょうこう女房にょうぼうが、たずねてたといただけでは、春信はるのぶは、ぐさまそのになれなかったのであろう。からはなすと、藤吉とうきちかおをあらためて見直みなおした。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
伝吉でんきちはぎょっとして、もう一長兵衛ちょうべえかお見直みなおした。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)