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覇業
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はぎょう
ふりがな文庫
“
覇業
(
はぎょう
)” の例文
徳川氏の
覇業
(
はぎょう
)
江戸に成るや、
爰
(
ここ
)
に発芽せし文華をして
殊
(
こと
)
に芸術の方面において、一大特色を帯ばしめたる者は
娼婦
(
しょうふ
)
と俳優なり。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
幕府三代、武家の
覇業
(
はぎょう
)
としたら、もうこの辺でぐらついていい所である。諸国の雄藩も、決して現状に甘んじてはいない。
柳生月影抄
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
昔
武田信玄
(
たけだしんげん
)
と
上杉謙信
(
うえすぎけんしん
)
はたがいに
覇業
(
はぎょう
)
を争うた、その結果として双方はたがいに研究しあい、武田流の軍学や上杉風の戦法などが日本に生まれた。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
多くの
覇業
(
はぎょう
)
の虚偽、国家の争奪、権謀と術数と巧知、制度と道徳の仮面なぞが、この『
直毘
(
なおび
)
の
霊
(
みたま
)
』に笑ってある。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
次
(
つい
)
で実朝の家督相続となった一方、
梶原
(
かじわら
)
一族が
滅
(
ほろ
)
び、
比企判官
(
ひきはんがん
)
一家が滅び、
仁田四郎
(
にたんのしろう
)
が殺されると云う陰惨な事件が続いて、右大将家の
覇業
(
はぎょう
)
も傾きかけたのを見ると
頼朝の最後
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
▼ もっと見る
蓋
(
けだ
)
し国師のような出世間の禅僧が此の風雲児の霊を弔い、法要を行うことに不思議はないが、徳川氏の
覇業
(
はぎょう
)
が定まった当時はたとい親類縁者と雖も、誰あって墓参りなどをする者もなく
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
秀吉が永徳の唯一の保護者というわけではないが……永徳は信長のためにむしろ傾注していたに相違ないが、
安土
(
あづち
)
の城が焼けると信長の
覇業
(
はぎょう
)
が亡び、同時に永徳の傾注したものも失せました。
大菩薩峠:31 勿来の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
彼のすすめに依って、藤孝は、信長へ近づき、信長は将軍義昭を立てて、京都へ軍をすすめ、それがやがて信長の
覇業
(
はぎょう
)
の一礎石となったのであった。
日本名婦伝:細川ガラシヤ夫人
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その声は——解放された諸大名の家族が揚げるその歓呼は——過去三世紀間の威力を誇る東照宮の
覇業
(
はぎょう
)
も、内部から
崩
(
くず
)
れかけて行く時がやって来たかと思わせる。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「
覇業
(
はぎょう
)
のためにはぜひもないと——鎌倉殿ご自身に心のうちで冷やかにいいわけしていらっしゃいましょう」
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
もう一度太陽のかがやきを見たいとは、東照宮の
覇業
(
はぎょう
)
を追想するものの願いであったのだ。再度の長州征伐は徳川全盛の昔を忘れかねる諸有司の強硬な主張から生まれた。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
時なる
哉
(
かな
)
。中国の
覇業
(
はぎょう
)
は今、この一挙に完成しよう。秀吉は、この壮観を、信長にも見せたいと
希
(
ねが
)
った。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
多年の江戸の
屋敷住居
(
やしきずまい
)
から解放された諸大名が家族もすでに国に帰り、東照宮の
覇業
(
はぎょう
)
も内部から
崩
(
くず
)
れかけて来たかに見えることは、ただそれだけの幕府の衰えというにとどまらなかった。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「忘れおこう、呂布はゆるせ」と、釈然と悟った
容子
(
ようす
)
なので、これ、太師の賢明によるところ、
覇業
(
はぎょう
)
万歳
(
ばんざい
)
の基であると、直ちに、呂布へもその由を告げて、大いに安心していた。
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
当国の朝倉殿も、あのような
態
(
てい
)
では、天下の
覇業
(
はぎょう
)
などという大事の相手には
心許
(
こころもと
)
ない。
茶漬三略
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いわんや、南面して、天下の
覇業
(
はぎょう
)
を行わんなど、思いもよらぬ夢でしょう。——まずここは、あくまで、無言をまもり質子も送らず、曹操のうごきを見ている
秋
(
とき
)
ではないでしょうか。
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
戦
(
いくさ
)
の意義は、まったく
小乗的
(
しょうじょうてき
)
で、越前との関係とか、信長への単なる反感とか、それに
絡
(
から
)
まる意地といったようなものが中心であるのに対して——とにかく信長の唱える志とその
覇業
(
はぎょう
)
とは
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
古来、主体の人が、冷血といわれるのは、そういう思いきった事をも敢然となしうる強力な精神が、その
覇業
(
はぎょう
)
のうえでは認められても、民衆の道徳や人情には、受けいれられないためであろう。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
覇業
(
はぎょう
)
を成した人物だけあって、筒井順昭は、やはり一世の
雄
(
ゆう
)
であった。
剣の四君子:02 柳生石舟斎
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この乱世の
黎明
(
れいめい
)
を
担
(
にな
)
うもの、万民の
塗炭
(
とたん
)
をすくうもの、われなり、われを
措
(
お
)
いて、人はあらじと、自負し自尊し、ここに
中原
(
ちゅうげん
)
の
覇業
(
はぎょう
)
を争っておりますが、すでに、偉材謙信は
逝
(
ゆ
)
き、甲山の信玄亡く
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
覇
常用漢字
中学
部首:⾑
19画
業
常用漢字
小3
部首:⽊
13画
“覇”で始まる語句
覇気
覇
覇王樹
覇府
覇道
覇力
覇者
覇王
覇権
覇陵橋