西端せいたん)” の例文
勘次かんじ菜種油なたねあぶらのやうに櫟林くぬぎばやしあひせつしつゝ村落むら西端せいたん僻在へきざいして親子おやこにんたゞ凝結ぎようけつしたやうな状態じやうたいたもつて落付おちついるのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
制動機を動かすと、この鉄橋は、あたかも川の中ではしを横に流すように、広い第九工場の東端とうたんから西端せいたんまで、ゴーッと音をたてて横に動くのだった。
夜泣き鉄骨 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ふゆ季節きせつほこりいて西風にしかぜ何處どこよりもおつぎのいへ雨戸あまど今日けふたぞとたゝく。それはむら西端せいたんるからである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
村落むら西端せいたん僻在へきざいしてかれには興味きようみもつさせるひとつの條件でうけんそなへてなかつた。たゞむつゝりとして他人たにんうつたへることももとめることもないかれは一さい村落むらとの交渉かうせふがなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)