襲撃しゅうげき)” の例文
ある者は校長に談判しようといい、ある者は阪井の家へ襲撃しゅうげきしようといい、ある者は阪井をとらえて鉄棒かなぼうにさかさまにつるそうといった。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
まさに敵国人が秘密防禦要塞ひみつぼうぎょようさいを作っていた此の山奥の地点を、わが陸軍の飛行隊が空中から襲撃しゅうげきを行ったときに当るのであって
壊れたバリコン (新字新仮名) / 海野十三(著)
博物館の襲撃しゅうげきまで、まだ九日間もあるじゃないか。まあ、ゆっくり、きみのむだ骨折りを拝見するつもりだよ。
怪人二十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
後に希臘ギリシャ人がスキュテイア人と呼んだ未開の人種の中でも、この種族は特に一風いっぷう変っている。彼等かれらは湖上に家を建てて住む。野獣やじゅう襲撃しゅうげきけるためである。
狐憑 (新字新仮名) / 中島敦(著)
何でも朝日新聞が襲撃しゅうげきされたという話だ。しかし、今朝はあたりまえに出ているんだから、変だよ。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
おれたちは、今夜こんや、あらしをんで、まち襲撃しゅうげきしよう。」と、ひのきのは、どなりました。
あらしの前の木と鳥の会話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
川上の荘の口碑こうひを集めたある書物によると、南朝の遺臣等は一時北朝方の襲撃しゅうげきおそれて、今の大台ヶ原山のふもとしおから、伊勢の国境大杉谷の方へ這入はいった人跡稀じんせきまれな行き留まりの山奥
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
勿論それは、表門組の襲撃しゅうげきと、時を合せて、一斉に起した行動であった。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
散発的な襲撃しゅうげきを止めて、大挙たいきょ行動する整備の状態にあるのではないか。
桜島 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
お前を襲撃しゅうげきした男のたましいは、お前の肉体からお前のたましいを完全に追い出したのだ。そういうことは、普通、できることではないのだ。
霊魂第十号の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
日夜警戒けいかいしてかれらの襲撃しゅうげきをふせぐのが上策じょうさくであるが、かれらは凶悪無慚きょうあくむざん無頼漢ぶらいかん七人で、諸君は数こそ多いが、少年である以上、苦戦は覚悟かくごせねばならぬ
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
蚊の襲撃しゅうげきから完全にのがれるためには、あとわずかな努力が残されているのみであった。彼はその努力の機会をねらって、一息入れながら、かすかに眼を開いて母の様子をうかがった。
次郎物語:01 第一部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
きょうでは暴民の凌辱りょうじょくを受けようとし、宋では姦臣かんしん迫害はくがいい、ではまた兇漢きょうかん襲撃しゅうげきを受ける。諸侯の敬遠と御用ごよう学者の嫉視と政治家連の排斥はいせきとが、孔子を待ち受けていたもののすべてである。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
かまうことはない、生きている金属は人間よりもかしこくて、強力なんだから、思いのままに人間を襲撃しゅうげきして、そのからだを占拠せんきょすることができるんだ
金属人間 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ふいに何者かの襲撃しゅうげきを受けないともかぎらないので、ふたりずつ交替こうたいに休むことにした。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
暗殺された重臣中、すでに確実となったのは、斎藤実さいとうまこと高橋是清たかはしこれきよ渡辺錠太郎わたなべじょうたろう、といった人々で、そのほかに、牧野伸顕まきののぶあき鈴木貫太郎すずきかんたろうの二重臣も襲撃しゅうげきをうけたらしいが、その生死はまだ確実ではない。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
それは赤外線男発見者の深山理学士の研究室が不可解な襲撃しゅうげきをうけたことだった。
赤外線男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
主力を牽制けんせいしているあいだに、海蛇うみへび、ブラント、ブルークの三人は、浅瀬あさせづたいに川をわたって岩壁によじのぼり、川に面せる物置きの洞口の下におりてとつぜん洞を襲撃しゅうげきしたのであった。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)