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行詰
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ゆきづま
ふりがな文庫
“
行詰
(
ゆきづま
)” の例文
中世的世界が
行詰
(
ゆきづま
)
って近世科学の時代に入った時、自己表現的なる歴史的実在の世界は、自己自身に返って新なる哲学の出立点を求めた。
デカルト哲学について
(新字新仮名)
/
西田幾多郎
(著)
お松がこんな
装
(
よそお
)
いをしてまで、甲府を逃れ出さねばならなかった理由は、全くあっちでは
行詰
(
ゆきづま
)
ってしまったからであることは申すまでもありません。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
それと見てMも
上衣
(
うわぎ
)
を引っかけて廊下へ出た。学生は
後
(
うしろ
)
を気にするように、時おり
揮
(
ふ
)
り返りながら廊下の
行詰
(
ゆきづま
)
りへ往って、それから階段をおりて往った。
死体を喫う学生
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
念の為に一寸ポオ式のディシファリングを試みて見たが、少しも解けない。俺はここでハタと
行詰
(
ゆきづま
)
って了った。
二銭銅貨
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
わたくしは
南京米
(
なんきんまい
)
をごしごしとぎながら、無花果の枯葉を眺め、飽き果てし身に似たりけり……と口ずさんだが、後の五字に
行詰
(
ゆきづま
)
ってそのまま
止
(
よ
)
してしまった。
枯葉の記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
「
誰某
(
たれそれ
)
の
輩
(
はい
)
が、
行詰
(
ゆきづま
)
つた
果
(
は
)
てに、
箔
(
はく
)
をつけに
行
(
ゆ
)
くのと、
同
(
おな
)
じだと
思
(
おも
)
はれると、
大変
(
たいへん
)
な
間違
(
まちが
)
ひなんだ。」
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
二葉亭の直話に
由
(
よ
)
ると、いよいよ
行詰
(
ゆきづま
)
って筆が動かなくなると露文で書いてから飜訳したそうだ。
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
そして
行詰
(
ゆきづま
)
つたやうな表情をして
傍
(
そば
)
にゐた日本人の画家を見た。その人は有島氏の友人だつた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
……使った
金子
(
かね
)
に世の中が
行詰
(
ゆきづま
)
って、自分で死ぬのは、間違いにしろ、勝手だが、死ぬのに一人死ねないで、未練にも相手の女を道づれにしようとして
附絡
(
つけまと
)
うのは卑劣じゃあないか。
みさごの鮨
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
此處まで來ると、平次もハタと
行詰
(
ゆきづま
)
ります。
銭形平次捕物控:064 九百九十両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
自然頭の中が忽ち空乏となって、文章上の
工風
(
くふう
)
も構想上の進歩も
行詰
(
ゆきづま
)
って飽かれてしまった。
美妙斎美妙
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
沢が、声を掛けようとして、思はず
行詰
(
ゆきづま
)
つた時、向うから先んじて
振向
(
ふりむ
)
いた。
貴婦人
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
割って出たけれども、さしあたり仲裁の言葉に
行詰
(
ゆきづま
)
って
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
斯
(
かゝ
)
る
中
(
なか
)
にも
社会
(
しやくわい
)
に
大勢力
(
だいせいりよく
)
を
有
(
いう
)
する
文学者
(
ぶんがくしや
)
どのは
平気
(
へいき
)
の
平三
(
へいざ
)
で
行詰
(
ゆきづま
)
りし
世
(
よ
)
を
屁
(
へ
)
とも
思
(
おも
)
はず。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
行
常用漢字
小2
部首:⾏
6画
詰
常用漢字
中学
部首:⾔
13画
“行”で始まる語句
行
行燈
行方
行李
行衛
行灯
行脚
行水
行者
行末