血液けつえき)” の例文
人間だって血液けつえきの赤い色と毛髪もうはつの色などをとりのぞけば、からだじゅうが無色むしょく透明とうめいになってしまうんだ。ガラスとたいしてちがわないよ
苟且かりそめにも血液けつえき循環じゆんくわん彼等かれら肉體にくたい停止ていしされないかぎりは、一たんこゝろうつつたをんな容姿かたち各自かくじむねから消滅せうめつさせることは不可能ふかのうでなければならぬ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
第二に鈍液どんえきと名づくるのがある。これが逆かさに上ると神経がにぶくなる。次には憂液ゆうえき、これは人間を陰気にする。最後が血液けつえき、これは四肢ししさかんにする。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
夜のしずけさのうちに動脈どうみゃくをふくらます血液けつえきの音、ありとあらゆるものが、みな音楽おんがくである。
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
人間のからだ血液けつえき透明とうめいにしてしまえば、体じゅうが透明になるわけだからな。そうなれば、ぼく自身じしん、透明になることはわけないというわけさ。
彼等かれらほとん冷却れいきやくしようとしつゝある肉體にくたいいづれの部分ぶぶんかにうしなはれんとしてほつちりとそのおもかげめて青春せいしゆん血液けつえきの一てきにはかいて彼等かれら全體ぜんたい支配しはいかつ活動くわつどうせしめたかとおもふやうに
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)