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藥罐
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やくわん
ふりがな文庫
“
藥罐
(
やくわん
)” の例文
新字:
薬缶
「まだ
其處
(
そこ
)
で
引
(
ひ
)
つくるけえしちや
大變
(
たえへん
)
だぞ、
戸棚
(
とだな
)
へでも
入
(
せ
)
えて
置
(
お
)
け」
勘次
(
かんじ
)
は
復
(
ま
)
た
注意
(
ちうい
)
した。
卯平
(
うへい
)
は
藥罐
(
やくわん
)
の
湯
(
ゆ
)
を
注
(
つ
)
いで三
杯
(
ばい
)
を
喫
(
きつ
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
さうだらうとも、五匁玉半分煙にして、
空茶
(
からちや
)
を
藥罐
(
やくわん
)
で三杯もあけるのは、容易なことぢやあるめえと思つて居たよ。そんなに言ひにくいところを
銭形平次捕物控:300 系図の刺青
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
小出氏は國民服の膝をきちんと折つて坐つて、壁の隅に置いてある
藥罐
(
やくわん
)
の湯を柄杓で汲んで、煎茶をいれて、それを私等にすすめた。飮み干すと又注いで呉れた。蚊は相變らず多かつた。
横山
(旧字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
例
(
いつ
)
もの通り足音も立てずに、猫の如く臺所から上つたが、誰れも居ないので、其處の圓形の大火鉢の前に坐つて、何うかすると薄ら寒い初夏の夜を、眞黒に煤けた
藥罐
(
やくわん
)
の上に兩手を
翳
(
かざ
)
しつゝ
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
「
汝
(
われ
)
も
喰
(
く
)
へ」
卯平
(
うへい
)
は
蕎麥掻
(
そばがき
)
を
分
(
わ
)
けてやつた。
彼
(
かれ
)
はさうして
更
(
さら
)
に
後
(
あと
)
の一
杯
(
ぱい
)
を
喫
(
きつ
)
して
其
(
その
)
茶碗
(
ちやわん
)
へ
湯
(
ゆ
)
を
汲
(
く
)
んで
飮
(
の
)
んだ。
藥罐
(
やくわん
)
は
輕
(
かる
)
くなつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
大道の上に
茣蓙
(
ごさ
)
を敷いて、その上に大小樣々の金物、——
金盥
(
かなだらひ
)
やら、鈴やら、火箸やら、
藥罐
(
やくわん
)
やら、錢やら、鍵やら、ありとあらゆるものを並べ、薄茶色の粉で磨いて
銭形平次捕物控:004 呪ひの銀簪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
俺
(
お
)
れ
注
(
つ
)
いでやつべか
爺
(
ぢい
)
」
火鉢
(
ひばち
)
の
側
(
そば
)
に
居
(
ゐ
)
た
與吉
(
よきち
)
は
藥罐
(
やくわん
)
へ
手
(
て
)
を
掛
(
か
)
けた。
卯平
(
うへい
)
は
與吉
(
よきち
)
のするが
儘
(
まゝ
)
に
任
(
まか
)
せた。
卯平
(
うへい
)
は
比較的
(
ひかくてき
)
悠長
(
いうちやう
)
に
茶碗
(
ちやわん
)
を
箸
(
はし
)
で
掻
(
か
)
き
交
(
ま
)
ぜた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
藥
部首:⾋
18画
罐
部首:⽸
23画
“藥”で始まる語句
藥
藥鑵
藥研
藥賣
藥味
藥液
藥水
藥取
藥品
藥屋