藥箱くすりばこ)” の例文
新字:薬箱
翌日よくじつ別當べつたう好意かういで、玄竹げんちく藥箱くすりばこあふひもんいた兩掛りやうがけにをさめ、『多田院御用ただのゐんごよう』のふだを、兩掛りやうがけけのまへはうふたててもらつた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
みんなごろ/\してんでればかり藥箱くすりばこつて醫者いしや送迎おくりむけえしたな、隣近所となりきんじよ一軒毎えつけんごめらやくにやたねえだから、いや本當ほんたうだよ、ら十五んち下痢くだつてなほつたがつよかつたかんな、いやつええともまつた
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
それで準備じゆんびをして、下男げなん藥箱くすりばこかつがせ、多田院ただのゐんからのむかへのしやきにてて、玄竹げんちくはぶら/\と北野きたのから能勢街道のせかいだう池田いけだはうあるいた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
さうして下男げなんには、菱形ひしがたの四かくへ『』の合印あひじるしのいた法被はつぴせてくれた。兩掛りやうがけの一ぱうには藥箱くすりばこをさめ、の一ぱうには土産物みやげものはひつてゐた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)