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荒筵
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あらむしろ
ふりがな文庫
“
荒筵
(
あらむしろ
)” の例文
枕から見渡す畳の上、羽虫の影が点々としている下に、
倒屏風
(
さかさびょうぶ
)
が立ててあるのが、第一に与惣次の眼に入った。寝ている敷物はいつしか
荒筵
(
あらむしろ
)
に変っている。
釘抜藤吉捕物覚書:04 槍祭夏の夜話
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
荒筵
(
あらむしろ
)
でもあることか、死骸を包んだのは真新しい備後表、縛った縄は、荷造り用のたくましい麻縄です。
銭形平次捕物控:078 十手の道
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
荒筵
(
あらむしろ
)
を敷いてあるんでございますよ、そこらは一面に
煤
(
すす
)
ぼって、土間も
黴
(
かび
)
が生えるように、じくじくして、隅の方に、お神さんと同じ色の
真蒼
(
まっさお
)
な
灯
(
あかり
)
が、ちょろちょろと
点
(
とも
)
れておりました。
湯女の魂
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
片側は
滑
(
なめら
)
かであるが、裏側はずいぶんざらざらして
荒筵
(
あらむしろ
)
のような
縞目
(
しまめ
)
が目立って見える。しかし日光に透かして見るとこれとはまた独立な、もっと細かく規則正しい
簾
(
すだれ
)
のような縞目が見える。
浅草紙
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
山内家の紋を染めた幕を引き廻した中に、四本の
竹竿
(
たけざお
)
を
竪
(
た
)
てて、上に
苫
(
とま
)
が
葺
(
ふ
)
いてある。地面には
荒筵
(
あらむしろ
)
二枚の上に、新しい畳二枚を裏がえしに敷き、それを白木綿で
覆
(
おお
)
い、更に
毛氈
(
もうせん
)
一枚を
襲
(
かさ
)
ねてある。
堺事件
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
ずっと向こうに数枚の
荒筵
(
あらむしろ
)
が、つなぎ合わされて垂らしてあった。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
そこの土間には
荒筵
(
あらむしろ
)
が敷かれてあった。
半七捕物帳:66 地蔵は踊る
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
荒筵
(
あらむしろ
)
でもあることか、死骸を包んだのは眞新しい備後表、縛つた繩は、荷造用の
逞
(
たく
)
ましい麻繩です。
銭形平次捕物控:078 十手の道
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お蔦が足をすべらせないように木で張った
梯子段
(
はしごだん
)
をおり切ると、眼の前の二間ほどの所に、
荒筵
(
あらむしろ
)
が二枚だらりと下がっていて、その目を通して、何やら黄色い光が、地獄の夢のように
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
話に聴いた、青色のその
燈火
(
ともしび
)
、その台、その
荒筵
(
あらむしろ
)
、その
四辺
(
あたり
)
の物の
気勢
(
けはい
)
。
湯女の魂
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
裏木戸寄りの涼み台の上に水死人を載せて、さすがに
荒筵
(
あらむしろ
)
は遠慮したらしく、浴衣を掛けてあるのを取ると、痩せた中老人の死骸が、秋の陽の下に浅ましく
曝
(
さら
)
されるのでした。
銭形平次捕物控:152 棟梁の娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
わたくしはこの御門を出るとすぐに殺されてしまいますと大声をあげると、人命に関するとあってはお上でも容易ならずと見て、はじめてここにお取上げになり、
荒筵
(
あらむしろ
)
のうえに坐らせられて
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
裏木戸寄りの凉み臺の上に水死人を載せて、さすがに
荒筵
(
あらむしろ
)
は遠慮したらしく、浴衣を掛けてあるのを取ると、
痩
(
や
)
せた中老人の死骸が、秋の陽の下に淺ましく
曝
(
さら
)
されるのでした。
銭形平次捕物控:152 棟梁の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
庭先に
番手桶
(
ばんておけ
)
、
荒筵
(
あらむしろ
)
を敷いて、その上の枝ぶりの良い松に
吊
(
つ
)
り上げたのは、半裸体の美女。
銭形平次捕物控:022 名馬罪あり
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
庭先に
番手桶
(
ばんてをけ
)
、
荒筵
(
あらむしろ
)
を敷いて、その上の枝ぶりの良い松に
吊
(
つ
)
り上げたのは、半裸體の美女。
銭形平次捕物控:022 名馬罪あり
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
赤井左門から命令があつたものか、庭先には
高張提灯
(
たかはりちやうちん
)
をかゝげ、番手桶を積み
荒筵
(
あらむしろ
)
を敷き、俄か事乍らすべてお
白洲
(
しらす
)
其儘に作つて、往來に向いた庭木戸を眞一文字に開かせました。
銭形平次捕物控:003 大盗懺悔
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
この邊を持場にしてゐる石原の利助の子分達に挨拶されながら、平次と八五郎は、死骸を引場げてある、
河岸
(
かし
)
の石疊の上に
踞
(
しやが
)
み込んで、わびしくも上へ掛けた、
荒筵
(
あらむしろ
)
を剥ぎました。
銭形平次捕物控:232 青葉の寮
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
赤井左門から命令があったものか、庭先には
高張提灯
(
たかはりぢょうちん
)
をかかげ、
番手桶
(
ばんておけ
)
を積み
荒筵
(
あらむしろ
)
を敷き、
俄
(
にわ
)
か事ながらすべてお
白洲
(
しらす
)
そのままに作って、往来に向いた庭木戸を真一文字に開かせました。
銭形平次捕物控:003 大盗懺悔
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
中に入ると、見物はバラリと五十人ばかり、草の上に
荒筵
(
あらむしろ
)
を敷き、その上に
茣蓙
(
ござ
)
を敷いて、下足は銘々持ち、芝居は何やら物々しく展開して居り、見物は固唾を呑んでそれに陶醉して居る樣子です。
銭形平次捕物控:270 転婆娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
荒
常用漢字
中学
部首:⾋
9画
筵
漢検1級
部首:⽵
13画
“荒”で始まる語句
荒
荒野
荒唐無稽
荒磯
荒寥
荒涼
荒海
荒々
荒神
荒地