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色合
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いろあい
ふりがな文庫
“
色合
(
いろあい
)” の例文
余り広くはないけれど、壁紙、窓かけ、
絨毯
(
じゅうたん
)
などの
色合
(
いろあい
)
や調度の配列に細かい注意が行届いていて、かなり居心地のよい部屋であった。
一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
それ故に、一民族の有する或る具体的意味または言語は、その民族の存在の表明として、民族の体験の特殊な
色合
(
いろあい
)
を帯びていないはずはない。
「いき」の構造
(新字新仮名)
/
九鬼周造
(著)
この
色合
(
いろあい
)
の変化は、本当に前よりもよくなったというもので、メアリゴウルドの髪を赤ちゃんの時よりも立派に見せました。
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
なおまた、反乱と暴動と、両者を区別する前述のごとき
色合
(
いろあい
)
を、いわゆる中流民は知るところはなはだ少ない。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
食物の味わいのうまいまずいや、着物の
色合
(
いろあい
)
のよしあしや、
甚
(
はなは
)
だしきは女の髪の
結振
(
ゆいぶり
)
の恰好不恰好に至るまで、子供の
癖
(
くせ
)
に非常に精密な
賞翫力
(
しょうがんりょく
)
を持って居る。
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
▼ もっと見る
皺
(
しわ
)
のよった小さな顔は赤みがかって、人のよさそうな
青
(
あお
)
い
眼
(
め
)
が
色
(
いろ
)
のさめかけた
瑠璃草
(
るりそう
)
のような
色合
(
いろあい
)
だった。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
なるほど若い女の着る
柄
(
がら
)
だけに、
縞
(
しま
)
がただ荒いばかりでなく、
色合
(
いろあい
)
もどっちかというとむしろ
派出
(
はで
)
過ぎた。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「そんなめちゃをなさらずに、どうか、ゆるしてあげてください。その
金財布
(
かねざいふ
)
が、げんざい、あなた方の
持物
(
もちもの
)
でない
証拠
(
しょうこ
)
には、がらも
色合
(
いろあい
)
も
女物
(
おんなもの
)
ではありませぬか」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それは、じつに怪奇というかグロテスクというか、すさまじい
格好
(
かっこう
)
と
色合
(
いろあい
)
のものであった。全長は一メートルよりすこし長いくらいで太短かい。上半身は大きいが、下半身が発達していない。
三十年後の世界
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そしてその風の吹く時には、きっと福浦岬から続いた海中に
加賀
(
かが
)
の白山がくっきりと
聳
(
そび
)
え立っているのが見えるのでした。その
外
(
ほか
)
の時には
大抵
(
たいてい
)
、空の
色合
(
いろあい
)
や、雲の具合で見えないのが普通でした。
少年と海
(新字新仮名)
/
加能作次郎
(著)
そうしたことによって、横町の
色合
(
いろあい
)
はだんだん変って行った。
浅草風土記
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
見るとそれは相当の実業家らしい洋服姿で、落ちついた
色合
(
いろあい
)
の、豊かな
春外套
(
はるがいとう
)
を波うたせ、開いた胸からは、太い金鎖がチラついていました。
湖畔亭事件
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
余はその
色合
(
いろあい
)
の長い間に
自
(
おのず
)
と
寂
(
さ
)
びたくすみ方に
見惚
(
みと
)
れて、眼を放さずそれを眺めていたが、ふと裏を返すと、私はこの画の中にあるような人間に生れたいとか何とか
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
また事実として、たとえばダンディズムと呼ばるる意味は、その具体的なる意識層の全範囲に
亙
(
わた
)
って果して「いき」と同様の構造を示し、同様の
薫
(
かおり
)
と同様の
色合
(
いろあい
)
とをもっているであろうか。
「いき」の構造
(新字新仮名)
/
九鬼周造
(著)
必ず甲か乙かのどっちかでなくては承知できないのです。しかもその甲なら甲の形なり程度なり
色合
(
いろあい
)
なりが、ぴたりと兄さんの思う坪に
嵌
(
はま
)
らなければ
肯
(
うけ
)
がわないのです。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「それがハッキリしないんだ。赤い光りの下で、しかも小さな節穴から見たんだからね。似ている様にも思うけれど、オーバーコートの
色合
(
いろあい
)
なんて、同じのがいくらだってあるからね」
猟奇の果
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
しかし、いかに色と色とを分割してもなお色と色との間には把握しがたい
色合
(
いろあい
)
が残る。そうして聴覚や視覚にあって、明瞭な把握に
漏
(
も
)
れる音色や色合を体験として拾得するのが、感覚上の趣味である。
「いき」の構造
(新字新仮名)
/
九鬼周造
(著)
それで人間というものには二通りの
色合
(
いろあい
)
があるということは今申した通りですが、このイミテーションとインデペンデントですが、片方はユニテー——人の真似をしたり
模倣と独立
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
手首のところから切りとった
手
(
て
)
の
平
(
ひら
)
である。老人形師は、自分の手をひらいて、それとならべて机の上にさし出した。小さな皺の一つ一つ、しなびた老人の手の
色合
(
いろあい
)
が、そのまま出ている。
悪霊物語
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
色合
(
いろあい
)
といい、大きさといい、それらは余りに似過ぎていたばかりでなく、運転手の右手にはめた手袋の飾釦がとれてしまって、ホックの
坐金
(
ざがね
)
丈けしか残っていないのは、これはどうしたことだ。
陰獣
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「いい
色合
(
いろあい
)
じゃのう。
端渓
(
たんけい
)
かい」
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
色
常用漢字
小2
部首:⾊
6画
合
常用漢字
小2
部首:⼝
6画
“色合”で始まる語句
色合い