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胸臆
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きょうおく
ふりがな文庫
“
胸臆
(
きょうおく
)” の例文
躯
(
からだ
)
を
捐
(
す
)
て頂を
糜
(
び
)
し、もって万一に報ずるを思わず、かえって
胸臆
(
きょうおく
)
を
恣
(
ほしいまま
)
にし、
擅
(
ほしいまま
)
に威福を
作
(
な
)
す。死すべきの罪、髪を
擢
(
ぬ
)
きて数えがたし。
続黄梁
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
ことにその題目が風月の虚飾を貴ばずして、ただちに自己の
胸臆
(
きょうおく
)
を
攄
(
し
)
くもの、もって識見
高邁
(
こうまい
)
、凡俗に超越するところあるを見るに足る。
曙覧の歌
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
北固山は
宋
(
そう
)
の
韓世忠
(
かんせいちゅう
)
兵を伏せて、
大
(
おおい
)
に
金
(
きん
)
の
兀朮
(
ごつじゅつ
)
を破るの
処
(
ところ
)
たり。其詩また
想
(
おも
)
う可き
也
(
なり
)
。
劉文
(
りゅうぶん
)
貞公
(
ていこう
)
の墓を詠ずるの詩は、
直
(
ただち
)
に自己の
胸臆
(
きょうおく
)
を
攄
(
の
)
ぶ。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
と云うのは、こゝで彼の
胸臆
(
きょうおく
)
に長いあいだ眠っていた女首へのあこがれが、急に
明瞭
(
めいりょう
)
な形を取って眼ざめたのである。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「妙な議論だな、これは。友達の
胸臆
(
きょうおく
)
に
蟠
(
わだか
)
まる秘密を察しなければ、一々責任を問われるんだから遣り切れない」
求婚三銃士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
▼ もっと見る
余が
胸臆
(
きょうおく
)
を開いて物語りし不幸なる閲歴を聞きて、かれはしばしば驚きしが、なかなかに余を
譴
(
せ
)
めんとはせず、かえりて他の凡庸なる
諸生輩
(
しょせいはい
)
をののしりき。
舞姫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
彼は例のごとくいとも快活に
胸臆
(
きょうおく
)
を開いて語った。僕の問うがまにまに上京後の彼の生活をば、恥もせず、誇りもせず、平易に、率直に、詳しく話して聞かした。
非凡なる凡人
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
けれど、こう静まッているは
表相
(
うわべ
)
のみで、乞の
胸臆
(
きょうおく
)
の
中
(
うち
)
へ立入ッてみれば、実に
一方
(
ひとかた
)
ならぬ変動。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
コレアルハ
六朝
(
りくちょう
)
ヨリ始ル。然レドモ唐宋大賢ノ文ヲ
観
(
み
)
ルニ直ニ
胸臆
(
きょうおく
)
ヲ抒シ
通暢
(
つうちょう
)
明白ニシテ切ニ事理ニ当ル。
夫
(
か
)
ノ彫虫
篆刻
(
てんこく
)
スル者トハ
背馳
(
はいち
)
セリ。名ハ集ナリトイヘドモ実ハ子ナリ。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
もしその某将校の言ふ所「新聞記者は泥棒と思へ」「新聞記者は兵卒同様なり」等の語をしてその
胸臆
(
きょうおく
)
より
出
(
い
)
でたりとせんか。これ冷遇に止まらずして侮辱なり。
従軍紀事
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
“胸臆”の意味
《名詞》
胸部。胸。
心中。胸中。
(出典:Wiktionary)
胸
常用漢字
小6
部首:⾁
10画
臆
常用漢字
中学
部首:⾁
17画
“胸”で始まる語句
胸
胸倉
胸襟
胸算用
胸毛
胸板
胸騒
胸算
胸高
胸乳