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羅列
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られつ
ふりがな文庫
“
羅列
(
られつ
)” の例文
かかる緊切なる当面の要求に応じて生まれた本講座は、歴史的事実の単なる
羅列
(
られつ
)
、説明をもって能事おわれりとするものではない。
『日本資本主義発達史講座』趣意書
(新字新仮名)
/
野呂栄太郎
(著)
一方ではまた浅薄な概括的論述を
羅列
(
られつ
)
した通俗科学的読み物がはなはだしく読者をあやまるという場合もしばしばあるであろう。
自由画稿
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
彼には、あの砲弾のような鮪の鈍重な
羅列
(
られつ
)
が、急に無意味な意味を含めながら、黒々と沈黙しているように見えてならなかった。
花園の思想
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
事実の
羅列
(
られつ
)
のためにも書かなかったつもりである。私は大音楽家達に対する心持を、散文詩のように、少しばかりの陶酔と、
詠嘆
(
えいたん
)
をさえ交えて書いた。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
或る点に達するまでは唯事実を
羅列
(
られつ
)
した平浅な客観写生句であることもやむをえません。私は
辛抱
(
しんぼう
)
してそういう句をも選んでやがてその
上堂
(
じょうどう
)
を待っています。
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
▼ もっと見る
うっかり読んでいれば、迷信的な因縁ばなしや、荒唐無稽な
譬
(
たと
)
え話の
羅列
(
られつ
)
にしか感じられない。そして、順序に連絡が欠けている点さえ読む者に苦渋を与える。
宝永噴火
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
内容はそれだけでほとんどつきており、あとはいろいろの感情を
盛
(
も
)
った言葉の
羅列
(
られつ
)
にすぎなかった。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
どうしてあのようにいつまでも、面白がって続けているかと思うほど、意味の解しにくい文言の
羅列
(
られつ
)
だが、「かごめ・かごめ」というのがやはりまた同じ遊びであった。
こども風土記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
朝な夕な店頭に据わって眺め暮らして居る銀座通りの光景が、
動
(
やゝ
)
ともすると
燦爛
(
さんらん
)
たる宝石の
羅列
(
られつ
)
するように見えたり、
房々
(
ふさ/\
)
とした女の黒髪ののたくるように見えたりする。
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
ああ、なかの数字の
羅列
(
られつ
)
がどんなに美しく眼にしみたことか。少年は、しばらくそれをいじくっていたが、やがて、巻末のペエジにすべての解答が記されているのを発見した。
葉
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
そして、ことに『風雅集』は、その点が特に感じられるように、これでもかこれでもかという態度で同傾向の歌を
羅列
(
られつ
)
してあるのである。こころみに一例を挙げよう。先ず春
中世の文学伝統
(新字新仮名)
/
風巻景次郎
(著)
人名
羅列
(
られつ
)
で叙景が中断されたが、先に云った初夏、青空に雲なき一日のことである。
地獄風景
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
サボテンのような、トーテム・ポールのような、
麒麟
(
キリン
)
の首のような、こういう異様な
羅列
(
られつ
)
が、中期原生代の赤錆色の湧出物でおおわれた不気味な谷間の中にヒョイヒョイと立っている。
地底獣国
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
大師
伝教
(
でんぎょう
)
が当山をひらかれたのは、王城の鎮護、国土安泰のためと承知いたすが、
甲冑
(
かっちゅう
)
をまとい、剣槍を
羅列
(
られつ
)
し、政争に
関
(
かか
)
わり、武略を
弄
(
もてあそ
)
び、朝命に
反
(
そむ
)
く兇兵に
与
(
くみ
)
して、王土の民を苦しめよとは
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかし彼女にとってこの街は無意味なものの
羅列
(
られつ
)
に過ぎなかった。
女百貨店
(新字新仮名)
/
吉行エイスケ
(著)
それは主として捜査艦艇の配置と、その報告の
羅列
(
られつ
)
だった。
海底大陸
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
どこまでも意地悪く、
羅列
(
られつ
)
しているばかりです。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
分子の集団から成る物体を連続体と考えてこれに微分方程式を応用するのが不思議でなければ、色の
斑点
(
はんてん
)
を
羅列
(
られつ
)
して物象を表わす事も少しも不都合ではない。
科学者と芸術家
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
今日S子はその
締高
(
しめだか
)
を計算したまま算盤をかたづけるのを忘れて帰ったというに過ぎないのです。そして、それは決して恋の通信などではなくて、ただ魂のない数字の
羅列
(
られつ
)
だったのです。
算盤が恋を語る話
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
かれがこれまで
信奉
(
しんぽう
)
もし、
実践
(
じっせん
)
にもつとめて来た、友愛・正義・自主・自律・創造、といったような、社会生活の基本的
徳目
(
とくもく
)
は、今のかれには、全く力のない、
空疎
(
くうそ
)
な言葉の
羅列
(
られつ
)
でしかなかった。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
それは、次のような文字の
羅列
(
られつ
)
であった。
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ゾンマーフェルトやその他の数理物理学者はS軸の上近くに座するものであり、純実験、純測定の大家らはK軸に
羅列
(
られつ
)
される。これらは科学の成果に仕上げをかける人々である。
ルクレチウスと科学
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
「証拠の
羅列
(
られつ
)
はもう沢山です」弘一君が突然、イライラした調子で叫んだ。
何者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
お定まりの言葉の
羅列
(
られつ
)
にすぎなかった。
次郎物語:04 第四部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
従って一つの楽曲のおもしろさを貧弱な人間の「言葉」と名づける道具で現わすことが困難であると同様にこの映画の律動的和声的要素の長所を文字の
羅列
(
られつ
)
で置き換えようとすることは
映画雑感(Ⅰ)
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
ただ先祖の名前や号やおくり名が
羅列
(
られつ
)
してあるばかりで、そんなものが残っている所を見れば相当の
武士
(
さむらい
)
の家柄には相違ないのだが、その人達の属した
藩
(
はん
)
なり、住居なりの記載が一つもないので
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
あの小説には、様々の不気味な事実が
羅列
(
られつ
)
してあったが、中でもわしの記憶に残っているのは、土葬をした棺を、数年の後開いて見たところが、骸骨の姿勢が、棺に納めた時とまるで違っていた。
白髪鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
型録的に一から十までを一々
羅列
(
られつ
)
して見せなくてもよいと思われる。
映画雑感(Ⅰ)
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
用途を無視し、大小を転倒した鉄製機械の
羅列
(
られつ
)
なのだ。
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
しかも無秩序に
羅列
(
られつ
)
したまでである。
科学と文学
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
“羅列”の意味
《名詞》
羅 列(られつ)
連ね並べること。
(出典:Wiktionary)
羅
常用漢字
中学
部首:⽹
19画
列
常用漢字
小3
部首:⼑
6画
“羅列”で始まる語句
羅列的