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罸
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ばち
ふりがな文庫
“
罸
(
ばち
)” の例文
好
(
い
)
い
顏
(
かほ
)
どころか
普通
(
あたりまへ
)
の
暑
(
あつ
)
い
寒
(
さむ
)
いも
滿足
(
まんぞく
)
には
仰
(
おつ
)
しやらず、
必竟
(
ひつきよう
)
あの
方
(
かた
)
なればこそお
腹
(
はら
)
もたてず
氣
(
き
)
にも
懸
(
か
)
けず
可愛
(
かわい
)
がつて
下
(
くだ
)
さるものヽ、
第
(
だい
)
一
天道
(
てんたう
)
さまの
罸
(
ばち
)
が
當
(
あた
)
らずには
居
(
お
)
りませぬ
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
私
(
わたし
)
は
惡人
(
あくにん
)
になりまする、
成
(
なり
)
りたうは
無
(
な
)
けれど
成
(
な
)
らねば
成
(
な
)
りませぬ、
罸
(
ばち
)
をお
當
(
あて
)
てなさらば
私
(
わたし
)
一人、
遣
(
つか
)
ふても
伯父
(
おぢ
)
や
伯母
(
おば
)
は
知
(
し
)
らぬ
事
(
こと
)
なればお
免
(
ゆる
)
しなさりませ、
勿躰
(
もつたい
)
なけれど
此金
(
このかね
)
ぬすませて
下
(
くだ
)
されと
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
其日
(
そのひ
)
一
日
(
にち
)
物
(
もの
)
も
仰
(
おほ
)
せられず、一
日
(
にち
)
おいてよりは
箸
(
はし
)
の
上
(
あ
)
げ
下
(
おろ
)
しに、
此家
(
このや
)
の
品
(
しな
)
は
無代
(
たゞ
)
では
出來
(
でき
)
ぬ、
主
(
しゆう
)
の
物
(
もの
)
とて
粗末
(
そまつ
)
に
思
(
おも
)
ふたら
罸
(
ばち
)
が
當
(
あた
)
るぞえと
明
(
あ
)
け
暮
(
く
)
れの
談義
(
だんぎ
)
、
來
(
くる
)
る
人
(
ひと
)
毎
(
ごと
)
に
告
(
つ
)
げられて
若
(
わか
)
き
心
(
こゝろ
)
には
恥
(
はづ
)
かしく
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
私は悪人になりまする、成りたうは無けれど成らねば成りませぬ、
罸
(
ばち
)
をお当てなさらば
私
(
わたし
)
一人、
遣
(
つか
)
ふても伯父や伯母は知らぬ事なればお
免
(
ゆる
)
しなさりませ、
勿躰
(
もつたい
)
なけれどこの金ぬすませて下されと
大つごもり
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
その日一日物も
仰
(
おほ
)
せられず、一日おいてよりは
箸
(
はし
)
の上げ
下
(
おろ
)
しに、この
家
(
や
)
の品は
無代
(
ただ
)
では出来ぬ、
主
(
しゆう
)
の物とて粗末に思ふたら
罸
(
ばち
)
が当るぞえと明け暮れの談義、来る人
毎
(
ごと
)
に告げられて若き心には恥かしく
大つごもり
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
罸
部首:⽹
15画