ばち)” の例文
かほどころか普通あたりまへあつさむいも滿足まんぞくにはおつしやらず、必竟ひつきようあのかたなればこそおはらもたてずにもけず可愛かわいがつてくださるものヽ、だい天道てんたうさまのばちあたらずにはりませぬ
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
わたし惡人あくにんになりまする、なりりたうはけれどらねばりませぬ、ばちをおあててなさらばわたし一人、つかふても伯父おぢ伯母おばらぬことなればおゆるしなさりませ、勿躰もつたいなけれど此金このかねぬすませてくだされと
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
其日そのひにちものおほせられず、一にちおいてよりははしおろしに、此家このやしな無代たゞでは出來できぬ、しゆうものとて粗末そまつおもふたらばちあたるぞえとれの談義だんぎくるひとごとげられてわかこゝろにははづかしく
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
私は悪人になりまする、成りたうは無けれど成らねば成りませぬ、ばちをお当てなさらばわたし一人、つかふても伯父や伯母は知らぬ事なればおゆるしなさりませ、勿躰もつたいなけれどこの金ぬすませて下されと
大つごもり (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
その日一日物もおほせられず、一日おいてよりははしの上げおろしに、このの品は無代ただでは出来ぬ、しゆうの物とて粗末に思ふたらばちが当るぞえと明け暮れの談義、来る人ごとに告げられて若き心には恥かしく
大つごもり (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)