“竜(りよう)” の例文
旧字:龍
奇樹(きじゆ)崖(きし)に横(よこ)たはりて竜(りよう)の眠(ねふ)るが如(ごと)く、怪岩(くわいがん)途(みち)を塞(ふさ)ぎて虎(とら)の臥(ふ)すに似(に)たり。山林(さんりん)は遠(とほ)く染(そめ)て錦(にしき)を布(し)き、礀水(かんすゐ)は深(ふか)く激(げき)して藍(あゐ)を流(なが)せり。金壁(きんへき)双(なら)び緑山(りよくざん)連(つらな)りたるさま画にもおよばざる光景(くわうけい)也。
今一四九竜(りよう)と化(け)して太虚(みそら)に昇(のぼ)り、地中(ちちゆう)をわすれたるならずや。秀吉竜と化したれども一五〇蛟蜃(かうしん)の類(たぐひ)なり。一五一蛟蜃の竜と化したるは、寿(いのち)わづかに三歳(みとせ)を過ぎずと。これもはた後なからんか。
入れた泥鰌(どぢやう)が竜(りよう)になる。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)