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禿鷹
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はげたか
ふりがな文庫
“
禿鷹
(
はげたか
)” の例文
青年は右手に半ば
諏訪山
(
すはやま
)
にかくれて
禿鷹
(
はげたか
)
の頭のやうに見える真黒な丘をさしてかう云ふと、
俯向
(
うつむ
)
き乍ら下駄の歯で士を掻いてゐた。
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死
(新字旧仮名)
/
長与善郎
(著)
もしラヴァーテル(訳者注 人相学の開祖)がその面相を見たならば、
禿鷹
(
はげたか
)
と代言人との混同した相をそこに見いだしたであろう。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
そこで
禿鷹
(
はげたか
)
はなお迷いました。そして方々の山へ行ってはたずねましたが、どの山もみな国中で一番高いのは俺だというのです。
コーカサスの禿鷹
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
脱毛期
(
だつもうき
)
の
禿鷹
(
はげたか
)
のような頭をしているくせに若い者と美しい
娘
(
むすめ
)
を張合って
惨
(
みじ
)
めに敗れた老人の話をした時、聴衆がドッと笑った。
狐憑
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
若
(
も
)
しそこに越えることの出来ない
溝渠
(
こうきょ
)
があるというならば、私は
寧
(
むし
)
ろ社会生活を破壊して、かの
孤棲
(
こせい
)
生活を営む
獅子
(
しし
)
や
禿鷹
(
はげたか
)
の習性に依ろう。
惜みなく愛は奪う
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
▼ もっと見る
……いえ、いえ。いくら李逵が嫌のなんのといったって、師の
呪縛
(
じゅばく
)
にかかっては、
羽
(
は
)
ネを抜かれた
禿鷹
(
はげたか
)
も同様で飛び立つことはできません。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
氷河の懸つた山の上には
禿鷹
(
はげたか
)
の影さへ見えなかつた。が、背の低い
露西亜
(
ロシア
)
人が一人、
執拗
(
しつえう
)
に山道を登りつづけてゐた。
或阿呆の一生
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
数羽の
禿鷹
(
はげたか
)
コンドルを壁の根もとに一列につないでおいて、その前方三ヤードくらいの所を紙包みにした肉をさげて通ったが、鳥どもは知らん顔をしていた。
とんびと油揚
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
四馬剣尺が、ふところより取りだした
紙片
(
かみきれ
)
をみて、机博士は
禿鷹
(
はげたか
)
のようにどんらんな眼を光らせた。
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
禿鷹
(
はげたか
)
と
闘
(
たたか
)
ってるボンのプロメテウスたるベートーヴェンも、オッサ山の上にペリオン山をつみ重ねて天をののしってるその子弟たる巨人族も、かつて神の
微笑
(
ほほえ
)
みを
瞥見
(
べっけん
)
したことさえなかった……。
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
禿鷹
(
はげたか
)
は初め、山の神から一番高い山を聞き出すつもりでしたが、話がそんなふうになって、とうとう聞きそびれてしまいました。
コーカサスの禿鷹
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
火旋風
(
ひつむじ
)
と共に走り出して来たのを見ると、それは不死人が都から連れて来た手下の
禿鷹
(
はげたか
)
、
蜘蛛太
(
くもた
)
、穴彦などという一連の出没自在な
剽盗
(
ひょうとう
)
仲間であった。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鉄格子
(
てつごうし
)
と手錠とで
禿鷹
(
はげたか
)
の幽閉されてる墓穴の中を吹き過ぎていたが、なおいっそう酷烈悲壮なる
朔風
(
きたかぜ
)
は、これらの
鳩
(
はと
)
のはいってるかごの中を吹いていた。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
この豊かさを求める三造の気持が、伯父自身の中に、——その人間の中に、その言動の一つ一つの中に見出される
禿鷹
(
はげたか
)
のような「鋭い乏しさ」に出会って、烈しく反撥するのであろう。
斗南先生
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
そんなふうにして、
禿鷹
(
はげたか
)
はまた方々飛び廻りましたが、どれ一つ自分が一番高いと言う山はありませんでした。
コーカサスの禿鷹
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
白い糞は岩の上にへたばるとも、なお
禿鷹
(
はげたか
)
は空に
翔
(
か
)
けることをやめない。予の目前にて洒落を侮辱するなかれ! 僕はその価値相当に洒落を尊重する。ただそれだけだ。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
仲間同士で呼びあっている名前にしても、
八坂
(
やさか
)
の
不死人
(
ふじと
)
を始めとして、
禿鷹
(
はげたか
)
だの、
毛虫郎
(
けむしろう
)
だの、
保許根
(
ほこね
)
だの、穴彦だの、
蜘蛛太
(
くもた
)
だのというだけで、これにも職業のにおいはない。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
三角の帽子は
禿鷹
(
はげたか
)
の形の煙となって消えました。赤と白とのだんだらの服は
大蛇
(
だいじゃ
)
の形の煙となって消えました。汚れた
麻
(
あさ
)
のシャツはなめくじの形の煙となって消えました。
手品師
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
そこへ出向く日、不死人は手下の穴彦、
保許根
(
ほこね
)
、
禿鷹
(
はげたか
)
などへかたくいいつけた。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
禿鷹
(
はげたか
)
のよくやる身振りである。そして彼はいっそう笑顔を深めて答えた。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
その中で、身にはぼろをつけてどこからやってきたともわからないきたない道化者らが、この一八二三年にモンフェルメイュの百姓どもに、あの恐ろしいブラジルの
禿鷹
(
はげたか
)
の標本を一つ見せていた。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
市民らはちょうど
禿鷹
(
はげたか
)
について
鶩
(
あひる
)
の騒ぐがような調子であった。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
十八
餌食
(
えじき
)
となれる
禿鷹
(
はげたか
)
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
“禿鷹(ハゲタカ)”の解説
ハゲタカ(禿鷹 英:vulture)は、腐肉を漁る猛禽類を広く指す俗称。特定の鳥の種名ではなく、ハゲワシ類やコンドル類を指す。
彼らの食餌習性から転じて、困窮して弱った相手を食い物にする強欲な人物・組織のことを「ハゲタカ」と比喩的に表現することもある。
(出典:Wikipedia)
禿
漢検準1級
部首:⽲
7画
鷹
漢検準1級
部首:⿃
24画
“禿”で始まる語句
禿
禿頭
禿山
禿筆
禿顱
禿茶瓶
禿鷲
禿安
禿木
禿上