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しんけいてき
彼の
書見は、イワン、デミトリチのやうに
神經的に、
迅速に
讀むのではなく、
徐に
眼を
通して、
氣に
入つた
所、
了解し
得ぬ
所は、
留り/\しながら
讀んで
行く。
讀者諸君よ
笑ひ
玉ふな、
私の
配慮は
餘りに
神經的かも
知れぬが、
然し
以上の
物語と
ハヾトフは
此時少計り
戸を
開けて
室内を
覗いた。イワン、デミトリチは
頭巾を
被つて、
妙な
眼付をしたり、
顫上つたり、
神經的に
病院服の
前を
合はしたりしてゐる。
彼は
非常に
讀書を
好んで、
屡〻倶樂部に
行つては、
神經的に
髭を
捻りながら、
雜誌や
書物を
手當次第に
剥いでゐる、
讀んでゐるのではなく
咀み
間合はぬので
鵜呑にしてゐると
云ふやうな
鹽梅。