着換きがえ)” の例文
あんな派手な落籍祝ひきいわいどころじゃありません、貴郎あなた着換きがえも無くしてまで、借金の方をつけて、夜遁よにげをするようにして落籍ひいたんですもの。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
貴様の荷物と一処に乃公おれのこの葛籠つづらついでもっかえっれ。乃公おれはもう着換きがえが一、二枚あれば沢山たくさんだ。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
泊った時の身装みなりも余りくなし、さして、着換きがえの着物もないようでありました、是れは忠平が、年のいかない娘を連れて歩くのだから、目立たんようにわざと汚れた衣類に致しまして、旅※たびやつれの姿で
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
かつじやうぬまふち旅僧たびそうくちから魔界まかい暗示あんじつたへられたゝめに——いたいまはしかつたので、……権七ごんしち取寄とりよせさした着換きがえきぬは、あたかほこら屋根やねふぢはなきかゝつたのを
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
其処そこで、自分じぶん引背負ひつしよふなり、くなりして、彫像てうざう城趾しろあと天守てんしゆはこぶ。……途中とちゆうちりけるためおほひがはりに、おうら着換きがえを、とおもつて、権七ごんしち温泉宿をんせんやどまでりにつた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)