白兎しろうさぎ)” の例文
御前ごぜんつてゐました、左右さいうから二人ふたり兵士へいし護衞ごゑいされて、王樣わうさまのおそばには、片手かたて喇叭らつぱ片手かたて羊皮紙やうひし卷物まきものつた白兎しろうさぎました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
寝間着ピジャマを着たボクさんが、白兎しろうさぎのように穴から飛び込んできました。あたしは、赤ん坊のように両手で受けとめると、しばらくは、気が遠くなるような思いでした。
キャラコさん:08 月光曲 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
すると、コスモスの花の下を、何か白いものが音もなく、ぴょんとねました。これは月の光に浮かれて、兎小屋うさぎごやから抜け出して、庭さきを飛びまわっている白兎しろうさぎでした。
もぐらとコスモス (新字新仮名) / 原民喜(著)
私は嫦娥などという中国人のことなどはよく知らないのですが、しかしお月様の中にんでいるという白兎しろうさぎが、ピョンと一ねして、私の足許あしもとへ飛んできそうな気がしました。
崩れる鬼影 (新字新仮名) / 海野十三(著)
私達の側には鳥取から一緒に乘つて來た鳥取新報の記者もゐて、鰐とは青いさめのことであり、それが古代の海賊のことであり、白兎しろうさぎとは善良な民族のことであるといふ一説なぞを話し聞かせてくれた。
山陰土産 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
少年「なあんだ、おじさんは、その白兎しろうさぎを撃ちにきたの」
(新字新仮名) / 竹久夢二(著)
愚物ばかだわねえ!』とあいちやんはおほきなこゑ齒痒はがゆさうにしましたが、『だまれ!』と白兎しろうさぎさけんだので、いそいでめました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
王樣わうさま氣遣きづかはしげに白兎しろうさぎ御覽ごらんになりました、白兎しろうさぎ低聲こゞゑで、『陛下へいか證人しようにん相手方あひてかた證人しようにん詰問きつもんせらるゝ必要ひつえうがあります』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)