病床びょうしょう)” の例文
ところが翌年の三月、その九回目を書きあげたころになって、私のからだの調子がわるくなり、ついに病床びょうしょうに横たわる身となってしまった。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
少年は、なにをおいても、郊外にある家へかえって、病床びょうしょうにある母にあいたかった。しかし本当のことをいったら、母はどんなに心配するかもしれない。
人造人間エフ氏 (新字新仮名) / 海野十三(著)
お辰の病床びょうしょうを見舞うと、お辰は「わてに構わんと、はよ維康さんとこイ行ったりイな」そして、病気ではご飯たきも不自由やろから、家で重湯やほうれん草いて持って帰れと
夫婦善哉 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
ははは、ぬるまえに、ちちわたくしゆめたとってりましたが、もちろんそれはただのゆめではないのです。つまり私達わたくしたち意思おもいゆめ形式かたちで、病床びょうしょうははつうじたものでございましょう……。
病床びょうしょうにありし良人おっとへも委細を語りて、これも天の御加護おかごならんと、薬も買いぬ、小供に菓子もうてりぬ、親子三人久し振りにて笑い顔をも見せ合いしに、良人のやまいはなおおもり行きて
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
それが、なんで病床びょうしょうよこたわる、患者かんじゃたちの安静あんせいさまたげずにおくことがありましょう。おばあさんは、ついにたまりかねて、足音あしおとをたてぬように、階段かいだんりると、ようすをそとていきました。
雲と子守歌 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「艇長はこのところ病床びょうしょうについていまして、お目にかかれんです。それで艇長はその代理をわたしに命じました。ですからなんなりとわたしにいってください」
怪星ガン (新字新仮名) / 海野十三(著)
はたしてこちらの意思おもい病床びょうしょうははつうじたかうかと不安ふあんかんじられました。
あるなどは病床びょうしょう香織かおりから頭髪かみいてもらったこともございました。