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畜
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か
ふりがな文庫
“
畜
(
か
)” の例文
毎
(
つね
)
にいわく、妻を持つ人はその飾具の勘定に悩殺さる、あたかも猴を
畜
(
か
)
う者が不断その破損する
硝子
(
ガラス
)
代を償わざるべからざるごとしと。
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
も
畜
(
か
)
ふ事が出来る筈だ。動物には色々あるが、そのなかで狸ほどの愛嬌ものは少い。自分は奈良公園に鹿と一緒に狸をも飼つてみたいと思ふものである。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
猫は蘭軒歿後にも榛軒に
畜
(
か
)
はれてゐて、十三年の後に死んだ。榛軒の妻は蘭軒の旧門人塩田楊庵に猫を葬ることを託して、金二朱を
裹
(
つゝ
)
んで寺に布施せしめた。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
ある妖狐を
畜
(
か
)
って富を致す評ある人が町を通ると、生まれて数月なる犬児が吠え付き、その袖や裾に噛み付いて
息
(
や
)
まず
十二支考:09 犬に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
インドとシャムで象厩に猴を
畜
(
か
)
えば、象を息災にすと信ずる由書いたが、近日一七七一年パリ板ツルパンの『
暹羅
(
シャム
)
史』に、シャムの象厩に猴を飼い
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
▼ もっと見る
日本人は古く鶏を
畜
(
か
)
い、殊に柳田氏が言われた通り、奥羽に鶏を崇拝した痕跡多きに、その直隣りのアイヌ人がかくまで鶏に
無頓著
(
むとんじゃく
)
だったは奇態だが
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
また大和丹波市近処に捕え来て
牀下
(
ゆかした
)
に
畜
(
か
)
うと、眼小さく体
俵
(
たわら
)
のように短大となり、転がり来て握り飯を食うに、すこぶる
迂鈍
(
うどん
)
なるを見たと語った人あり。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
長者
恒
(
つね
)
に供養の時至るごとに一人をして辟支仏に往き請ぜしめた。この使い一
狗子
(
いぬ
)
を
畜
(
か
)
い日々伴れて行った。
十二支考:09 犬に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
ボヘミヤの某所では、百姓が通常の鼠を
釈
(
ゆる
)
さず殺せど白鼠を見付くれば殺さず、窓に巣を作ってこれを
畜
(
か
)
う。それが死ねばその家の福尽き常の鼠が殖えるそうだ。
十二支考:11 鼠に関する民俗と信念
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
讃岐
(
さぬき
)
琴平
(
ことひら
)
に多く
畜
(
か
)
う(『郷土研究』二巻三号、三浦魯一氏報)、『古語拾遺』に、白鶏、白猪、白馬もて
御歳
(
みとし
)
の神を祭ると見え、『塩尻』四に〈『地鏡』に曰く
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
『マハバーラタ』にはハリー神女が馬と猴の母だという。こうなるとどうも猴と馬が近親らしい。『
虎鈐経
(
こけんけい
)
』に猴を厩に
畜
(
か
)
えば馬のために悪を避け、疥癬を去るとある。
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
さてこそ魔物と一同震慄した。シマンタムバ常に一大鶏を
畜
(
か
)
い、その鳴く声と時刻を考え、事ごとに成敗を知ったと聞くが、それも無効と見えてソグノ伯に
紿
(
あざむ
)
き殺された。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
は、
奢侈
(
しゃし
)
の余り多くの騾に金
屐
(
くつ
)
を
穿
(
は
)
かせ、また化粧に腐心して新たに駒産める
牝驢
(
ひんろ
)
五百を
畜
(
か
)
い、毎日その乳に浴し、少し日たったものを新乳のものと取り替うる事絶えず。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
しかるに和漢とも後には老いたる豕も
本
(
もと
)
は子であったから猪、イノコと唱えたので、家に
畜
(
か
)
う家猪に対して、野生の猪を野猪また山猪、和名クサイイキ、俗称イノシシという。
十二支考:10 猪に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
想うに
一九
(
いっく
)
などの小説にしばしば繰り返された一話はこの仏語より来たんでないか、いわく猫を
畜
(
か
)
って名を
命
(
つけ
)
んと苦心し猫は猫だから猫と
号
(
な
)
づく、さて
攷
(
かんが
)
うると猫より強いから虎
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
長崎にもあれども少なし、これはかの地食物の用にする故に多からずと覚ゆ云々と記し、『重訂本草綱目啓蒙』四六には、長崎には異邦の人多く来る故に豕を
畜
(
か
)
い置いて売るという。
十二支考:10 猪に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
今もパレスチナのアラブ人が多く騾を
畜
(
か
)
いながら馬驢を交わらしめてこれを作らず、隣郷より買い入るるより推さば、古ヘブリウ人も専ら騾を買って用いたらしい、パレスチナの古伝に
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
そのまま羊が象
厩
(
べや
)
に身を
摺
(
す
)
り付くると、いよいよ火事となりて象も猴も焼け死んだとある。象厩に猴を
畜
(
か
)
えば象を息災にすとシャムでも信ずる由、クローフォールドの『
暹羅
(
シャム
)
使記』に見ゆ。
十二支考:06 羊に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
走り付いてその説を
敲
(
たた
)
けば多年鶏を
畜
(
か
)
う人で、われは鶏の羽色が四季に応じて変るを熟知す。この鶏の羽色と側に描いた草花と時節が合わぬと言ったので応挙厚く謝したとあったと覚える。
十二支考:10 猪に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
人間が
畜
(
か
)
った物ゆえ力の強い間馬を働かすが正当だが、馬老衰と来ては処分が大分むつかしい、ただし牝牛を畜って乳を取り羊を養って毛を収め、とどのしまいに殺し食うたって異論なし
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
『淵鑑類函』に扶南王
范尋
(
はんじん
)
常に虎五、六頭
鰐魚
(
わに
)
六頭を
畜
(
か
)
い、訟あって曲直知れぬ者を投げ与える、さて啖われた者は曲、啖われぬ者は直とする、
穢貊
(
わいばく
)
の人虎を祭りて神将とするは
以
(
ゆえ
)
あるなり
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
唐訳『
花厳経
(
けごんぎょう
)
』七八に、〈人あり竜を
調
(
なら
)
す法を善くす、諸竜中において、易く自在を得〉、西洋にも昔はそうと見えて、プリニウス八巻二十二章に、ギリシア人トアス幼時竜を
畜
(
か
)
い
馴
(
な
)
らせしに
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
ローマ帝国の盛時虎を多く
畜
(
か
)
って闘わしめまた車を
牽
(
ひ
)
かせた例もある。
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
畜
常用漢字
中学
部首:⽥
10画
“畜”を含む語句
畜生
畜生奴
此畜生
家畜
犬畜生
業畜
畜生道
人畜
鬼畜
人畜生
畜類
此畜生奴
畜産
牧畜
畜犬票
孽畜
畜獣
畜養
凡畜
畜舎
...