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町角
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まちかど
ふりがな文庫
“
町角
(
まちかど
)” の例文
この国の歴史あって以来の
未曾有
(
みぞう
)
の珍事とも言うべき外国公使の
参内
(
さんだい
)
を正香と共に丸太町通りの
町角
(
まちかど
)
で目撃したことを語った。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
うす寒い秋風の
町角
(
まちかど
)
に、なんの気もなく見る時ほど思わず目のそむけられるものは、女の
呪詛
(
じゅそ
)
をたばねたような、あのかもじのつり看板です。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
病院の門を出て、彼が一つの
町角
(
まちかど
)
を曲ると、そこには洋装の
佳人
(
かじん
)
が待っていて、いきなり彼にとびついた。それは外ならぬ山崎美枝子だったのである。
脳の中の麗人
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「
何
(
なん
)
だ。何を考えてるんだい。」と肉屋は思いました。そのうちに、犬はふと、その肉をくわえるなり、どんどん、
町角
(
まちかど
)
の方へかけさってしまいました。
やどなし犬
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
黒
(
くろ
)
んぼは、
日当
(
ひあ
)
たりの
途
(
みち
)
を
歩
(
ある
)
いて、あたりを
物珍
(
ものめずら
)
しそうに、きょろきょろとながめながらやってきますと、ふと、
町角
(
まちかど
)
のところで、うす
青
(
あお
)
い
着物
(
きもの
)
をきた
娘
(
むすめ
)
に
出
(
で
)
あいました。
港に着いた黒んぼ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
子供は一せいに感心して、見る見る
町角
(
まちかど
)
に消えて行く白馬の
行方
(
ゆくえ
)
を見送った。
大人の眼と子供の眼
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
「
町角
(
まちかど
)
でさがし物をしてたけれど、わからないんです。」
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
と、青貝で文字を埋めた立派な看板が、
町角
(
まちかど
)
の屋根にかかっていた。それは、清洲の名物で、いつも旅人が大勢腰かけ、一方では土地の客が混み合っていた。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そんなことを考え考え前進してゆくうちに、向うに
町角
(
まちかど
)
が見えた。私は大きな息を下腹一ぱいに吸いこむと、脱走は今であるとばかり、クルリと町角を曲った。
疑問の金塊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
その反対の
町角
(
まちかど
)
にある大きな
口入宿
(
くちいれやど
)
には何百人もの職を求める人が詰めかけていたと言うのは半蔵だ。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「そうだ、
町角
(
まちかど
)
の所に、わかってる。」
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
景蔵、香蔵の二人は落合の宿まで行って、ある
町角
(
まちかど
)
で一人の若者にあった。稲葉屋の
子息
(
むすこ
)
勝重
(
かつしげ
)
だ。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
青いものがこんもりした
町角
(
まちかど
)
で、横一窓の
油障子
(
あぶらしょうじ
)
に、ボウと黄色い明りが
洩
(
も
)
れていて、サヤサヤと
縞目
(
しまめ
)
を
描
(
か
)
いている柳の糸。軒には、「
堀川会所
(
ほりかわかいしょ
)
」とした三尺札が下がっていた。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
亀さんは、また、あたふたと、
町角
(
まちかど
)
のパン屋の高声器を目懸けて、かけ出して行った。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
あれは
南京路
(
ナンキンろ
)
に面した
町角
(
まちかど
)
だったな。あの礎石が、二日のちの二十六日に大爆発を起すことになると、これはたいへんだ。ホテルの近所の家は、全部立ち
退
(
の
)
きをしないと大危険だねえ
時限爆弾奇譚:――金博士シリーズ・8――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
彼も今では
沢家
(
さわけ
)
に身を寄せ、
橘東蔵
(
たちばなとうぞう
)
の変名で、執事として内外の事に働いている人であるが、丸太町と堺町との
交叉
(
こうさ
)
する
町角
(
まちかど
)
あたりに立って、多勢の男や女と一緒に使節一行を待ち受けた。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
それは多くは橋の
袂
(
たもと
)
とか、
町角
(
まちかど
)
とかに在った。
棺桶の花嫁
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
町
常用漢字
小1
部首:⽥
7画
角
常用漢字
小2
部首:⾓
7画
“町”で始まる語句
町
町家
町中
町方
町内
町屋
町端
町人
町々
町奴