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申刻
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なゝつ
ふりがな文庫
“
申刻
(
なゝつ
)” の例文
その日も晝頃から始まつて、
申刻
(
なゝつ
)
前にはかなり
草臥
(
くたび
)
れましたが、近頃油の乘つて來た新助は、なか/\止さうと言ふことを言ひません。
銭形平次捕物控:057 死の矢文
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
贈
(
おく
)
られ今日の第一番客なり
扨
(
さて
)
夕
(
ゆふ
)
申刻
(
なゝつ
)
頃よりして
立代
(
たちかは
)
り入代り語り
初
(
そめ
)
をなす
淨瑠璃
(
じやうるり
)
の
數々
(
かず/\
)
門弟は今日を
晴
(
はれ
)
と見臺に向ひて
大汗
(
おほあせ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
先ず
悉皆
(
すっかり
)
洗い上げて、すうッと湯屋から出て
家
(
うち
)
へ帰って来ますと、ポーンと鳴る、是が
申刻
(
なゝつ
)
と云うので、それから
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
疲れては乘り、
屈託
(
くつたく
)
しては歩き、十二里の長丁場を樂々と征服して、藤澤へあと五六町といふところまで來たのは、第一日の
申刻
(
なゝつ
)
過ぎ——。
銭形平次捕物控:082 お局お六
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
得たりと打悦び互ひに笑ひつ笑はれつ何時か
草津
(
くさつ
)
石部
(
いしべ
)
も夢の間に打過て水口の驛に着し頃は夏の日なれども
早
(
はや
)
申刻
(
なゝつ
)
過
(
すぎ
)
共思はれける八九里の道を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
喜「
予
(
かね
)
てお話のござりました文治
事
(
こと
)
、
来
(
きた
)
る十四日夕
申刻
(
なゝつ
)
頃、向島に於て
舅
(
しゅうと
)
の
敵
(
かたき
)
大伴蟠龍軒を討ちます」
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
外は四月始めの良い陽氣、
申刻
(
なゝつ
)
(四時)下がりの陽は明神樣の森に傾いて、街の子供達が路地一パイに馳け廻つてをります。
銭形平次捕物控:289 美しき人質
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
丁度其の日の
申刻
(
なゝつ
)
下
(
さが
)
り、日はもう西へ傾いた頃、此の茶見世へ来て休んでいる
武士
(
さむらい
)
は、廻し
合羽
(
がっぱ
)
を着て、柄袋の掛った大小を差し、半股引の少し
破
(
や
)
れたのを穿いて
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
見定め出立致さん夫迄は遊び暮すべしとて
猶
(
なほ
)
賑
(
にぎ
)
は
敷
(
しく
)
ぞ居續ける其日は
夕
(
ゆふ
)
申刻
(
なゝつ
)
時分
(
じぶん
)
にて瀬川が
晝
(
ひる
)
の客も歸り何か用の有りとて
内證
(
ないしよう
)
へ行きしに右の一札を女房に
讀聞
(
よみきか
)
せ居たるを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「朝消し忘れた行燈が、油も注さずに
申刻
(
なゝつ
)
(四時)近くまで點いてゐる道理はありません。變ぢやありませんか、親分」
銭形平次捕物控:115 二階の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
八月二十六日が丁度
三七日
(
みなのか
)
で、其の日には都合が悪く墓参りが遅くなり、
申刻
(
なゝつ
)
下
(
さが
)
りに墓参りをするものでないと其の頃申しましたが、其の日は空が少し曇って居るから、急ぎ足で参ったのは
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
やがて定刻の
未刻
(
やつ
)
が遲れて、
申刻
(
なゝつ
)
までに集まつた者が九十八人、それに一々
籤
(
くじ
)
を引かせて、番號順に肌を除いで、皆んなに見せなければなりません。
銭形平次捕物控:007 お珊文身調べ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
子刻
(
こゝのつ
)
(十二時)過ぎに根岸の
棟梁
(
とうりやう
)
の家を出て
申刻
(
なゝつ
)
(四時)過ぎには品川で多勢の仲間と落合ひ、何んにも知らずに江の島から鎌倉へ遊び廻つて居る。
銭形平次捕物控:121 土への愛著
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
馬鹿な主人の總七が、人目を
憚
(
はゞか
)
つてお粂に逢ひに行つてあの路地から話して居るのが毎日
申刻
(
なゝつ
)
ときまつて居るんだ。
銭形平次捕物控:038 一枚の文銭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
私はどういふものかあの日は朝から熱があつて、赤い顏をして居ると言はれましたが、到頭我慢が出來なくなつて
申刻
(
なゝつ
)
(四時)前に歸らして頂きました。
銭形平次捕物控:154 凧の詭計
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「番頭の徳松は
申刻
(
なゝつ
)
(四時)頃家を出て、
酉刻
(
むつ
)
前に下谷の家へ着き、散々御馳走になつて
亥刻
(
よつ
)
(十時)近く歸つた相です、大分醉つてゐたといふことで」
銭形平次捕物控:276 釣針の鯉
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
出て
未刻
(
やつ
)
過ぎ
申刻
(
なゝつ
)
(四時)近く參る筈でしたが、お寺からのお使ひの方が見えて、晝頃の方が御都合がよいといふお言傳だつたので、取急いで參つたやうなわけで——
銭形平次捕物控:239 群盗
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
錢形平次と八五郎が、兎も角、土地の御用聞川崎の孫三郎の家に
草鞋
(
わらぢ
)
を脱いだのは、その日ももう
申刻
(
なゝつ
)
近い刻限でしたが、中年者の孫三郎は、下へも置かぬ喜びやうです。
銭形平次捕物控:154 凧の詭計
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
道灌山へ平次と八五郎が向つたのは、
悠々
(
いう/\
)
と晝飯を濟ましてから、火伏せの行が始まるといふ
申刻
(
なゝつ
)
時分には、二人は無駄を言ひ乍ら若葉の下の谷中道を歩いて居りました。
銭形平次捕物控:111 火遁の術
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
捕物の名人錢形の平次と、その子分の八五郎、野暮用で龜戸へ行つた歸り、東兩國の見世物小屋へ入つたのは、初夏の陽も、漸く蔭を作りかけた
申刻
(
なゝつ
)
(四時)近い刻限でした。
銭形平次捕物控:016 人魚の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
釣竿
(
つりざを
)
なんか擔いで、これから横川筋へ釣に行くんだが潮時が少し早いからと仰しやつて、一杯つけさして、さう、一刻位經ちましたか知ら、
申刻
(
なゝつ
)
(四時)少し前、ほろ醉機嫌で
銭形平次捕物控:276 釣針の鯉
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ガラツ八の八五郎が、番頭の襟髮を取つて引立てゝ來たのはもう
申刻
(
なゝつ
)
を廻る頃でした。
銭形平次捕物控:048 お藤は解く
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
未刻下
(
やつさが
)
り、やがて
申刻
(
なゝつ
)
にも近からうと思ふ頃、お勝手口へフラリ人の影がさします。
銭形平次捕物控:003 大盗懺悔
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
東兩國の盛り場に差しかゝつたのは、かれこれ
申刻
(
なゝつ
)
(四時)近い時分でした。
銭形平次捕物控:118 吹矢の紅
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
そのうちに次第に陽が
傾
(
かたむ
)
いて、
未刻
(
やつ
)
(二時)になり
申刻
(
なゝつ
)
(四時)になります。
銭形平次捕物控:115 二階の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「そんな事もあるでせう。血の附いた着物を着て、江戸の町は歩けません。お照さんの部屋で物音のしたのは、
申刻
(
なゝつ
)
(四時)少し過ぎだつたさうですから、もう外は明るくなりかけて居た筈です」
銭形平次捕物控:103 巨盗還る
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「えゝ、そして、一寸。ほんの一寸外へ出ましたが、すつかり陽氣になつて歸つて來て、これで助かつた、これで俺も顏が立つ——と申してをりました。昨日の
申刻
(
なゝつ
)
(四時)下がりでございました」
銭形平次捕物控:269 小判の瓶
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
良い月夜の翌る日は、シヨボシヨボした秋雨になつて、夕方はもう眞つ暗、平次と八五郎が相對してゐる、神田明神下の——詳しく言へばお臺所町の路地の奧は、
申刻
(
なゝつ
)
過ぎにもう
灯
(
あかり
)
が欲しいやうです。
銭形平次捕物控:261 弱い浪人
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
申刻
(
なゝつ
)
少し廻つたばかりだ、なア八」
銭形平次捕物控:038 一枚の文銭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
申刻
(
なゝつ
)
半かな」
銭形平次捕物控:040 兵庫の眼玉
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
申
常用漢字
小3
部首:⽥
5画
刻
常用漢字
小6
部首:⼑
8画
“申刻”で始まる語句
申刻半
申刻過
申刻下
申刻頃
申刻過頃