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然
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さす
重四郎
先暫らくと
押止め必ず早まり給ふな親分の
敵は三五郎と知たる上其は
宜敷時刻を計つて
討洩さぬ樣に致すが
肝要なり殊に
今宵三五郎は宅に
居ず
然れば
仕懸て
行共其詮無しと云ふにぞ掃部是を
忌む今や
開花の
時節とて打續たる
日和なれば上野
隅田も人もや
出ん
然れば
彼所は打ち水
爲可き者もあらざれば
塵芥は立て風吹ば
眼に入て目の毒なり又櫻は
赤き樣に見ゆれど
素之れ白き物なれば
散行く樣を
保ちしと云事あり是等は即ち
理外の物語りにて
天地の間に不思議の有しことは
擧て
算へ難し切れて助かる道理は無しと雖も世界の不思議
神佛の利益は無にも非ず
然れば其方の父富右衞門も
蘇生いたす
間じき者でも無い
隨分神佛を