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滋味
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じみ
ふりがな文庫
“
滋味
(
じみ
)” の例文
「
径路
(
けいろ
)
窄
(
せま
)
きところは、一歩を留めて、人に行かしめ、
滋味
(
じみ
)
濃
(
こまや
)
かなるものは、三分を減じて人に
譲
(
ゆず
)
りて
嗜
(
たしな
)
ましむ、これは
是
(
こ
)
れ、世を
渉
(
わた
)
る一の
極安楽法
(
ごくあんらくほう
)
なり」
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
ととっさに見きわめて、畳のうえに呼び入れて差し向かい、一問一答のあいだに
掬
(
きく
)
すべき
興趣
(
きょうしゅ
)
滋味
(
じみ
)
こんこんとして泉のよう——とうとう夜があけてしまった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
これは、決して、
虚飾
(
きょしょく
)
や、
阿諛
(
あゆ
)
からではなくて、
如何
(
いか
)
なる場合にも他人に
一縷
(
いちる
)
の逃げ
路
(
みち
)
を与えて
寛
(
くつ
)
ろがせるだけの余裕を、氏の善良性が氏から
分泌
(
ぶんぴつ
)
させる自然の
滋味
(
じみ
)
に
外
(
ほか
)
ならないのです。
岡本一平論:――親の前で祈祷
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
さういふ
残物
(
のこりもの
)
と
冷
(
つめ
)
たく
成
(
な
)
つた
豆腐汁
(
とうふじる
)
とをつゝいても
麥
(
むぎ
)
の
交
(
まじ
)
らぬ
飯
(
めし
)
が
其
(
そ
)
の
口
(
くち
)
には
此
(
こ
)
の
上
(
うへ
)
もない
滋味
(
じみ
)
なので、
女房等
(
にようばうら
)
は
其
(
そ
)
の
強健
(
きやうけん
)
で
且
(
かつ
)
擴大
(
くわくだい
)
された
胃
(
ゐ
)
の
容
(
い
)
れる
限
(
かぎ
)
りは
口
(
くち
)
が
之
(
これ
)
を
貪
(
むさぼ
)
つて
止
(
や
)
まないのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
数〻
(
しばしば
)
社参する
中
(
うち
)
に、修験者らから神怪
幻詭
(
げんき
)
の偉い
談
(
だん
)
などを聞かされて、身に浸みたのであろう、長ずるに及んで何不自由なき大名の身でありながら、
葷腥
(
くんせい
)
を遠ざけて
滋味
(
じみ
)
を
食
(
くら
)
わず、身を持する謹厳で
魔法修行者
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
という古語の
滋味
(
じみ
)
をあらためて心のうちに噛みしめていた。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼は客の旦那衆に対し物しずかに普通に話した。それでいて旦那衆は
馥郁
(
ふくいく
)
とした
滋味
(
じみ
)
と馥郁とした暖味とに包まれるばかりでなく、心の底から世間の用心のか
鐉
(
かけがね
)
を外ずして打ち解けられた。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
“滋味”の意味
《名詞》
滋 味(じみ)
栄養があり味の良いこと。また、そのような食べ物。
ゆっくり味わうと分かる深い味わい。
(出典:Wiktionary)
滋
常用漢字
小4
部首:⽔
12画
味
常用漢字
小3
部首:⼝
8画
“滋味”で始まる語句
滋味津々