“分泌”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぶんぴつ75.0%
ぶんぴ25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
女たちの淫らな眼は、それを想像するだけでも媚液びえき分泌ぶんぴつして、れた果物がおかれてあるように、トム公を眺め合った。
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
訪問客、すなわち蝶々はその長いくちばしを花中へ差し込み、花蓋かがいのもとの方の内面に分泌ぶんぴつしているみつうのである。その時、その虫の体もくちばしやくれて、その花粉を体やくちばしける。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
へびしばら凝然ぢつとしてきはめておもむろに棺臺くわんだいしたかくれた。卯平うへいかほ黄昏たそがれひかりあをかつた。かれはそれから他出たしゆつすることもまれになつた。恢復くわいふくしかけた病後びやうご疲勞ひらうよるねばるやうなあせ分泌ぶんぴさせた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
虫取りスミレもヒトデも、毒液を出して、獲物を殺したうえ、吸収してしまうのだが、この人花は毒液を分泌ぶんぴするわけではなかった。獲物は身動きもできぬほど、桃色の肉団に包まれているばかりだ。
影男 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)