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かいばつ
こゝからは
岩石と
砂礫の
道を
一歩々々踏みすゝんで、つひに
海拔一萬二千餘尺の
絶頂へたどりつくわけです。
車室から
降りたのは
自分一人だつた
彼に、
海拔二千
尺の
峰に
於けるプラツトフオームは、
恰も
雲の
上に
拵へた
白き
瑪瑙の
棧敷であるが
如く
思はれたから、
驛員に
對する
挨拶も
この
裾野の
景色を
眺めながら、だん/\
上つて
一合目をも
過ぎ、
海拔三千五百尺あたりのところへ
來ますと、いつしか
草原も、
人が
植林した
林などもなくなつて、ずっと
奧ゆかしい
こゝは、つまり、
寒帶林で、いはゆる
常緑針葉樹帶です。それから
海拔八千尺の
四合目まで
登れば、
林は
三度その
姿を
變へて、
常緑針葉樹の
林は
落葉針葉樹のからまつ
林となつて
來ます。