のっと)” の例文
持っているのじゃ、安政二年に、お前たちがこしらえたシコナと同じものにしようか、それとも、千代田型にのっとって、それに自分の意匠を
大菩薩峠:19 小名路の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
陰陽道は歴緯にのっとり神鬼を駆ると称して、世俗の為に吉を致し凶をはらうものである。儒より云えば巫覡ふげきの道、仏より云えば旃陀羅せんだらの術である。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
これらの事なみ兄弟の仰ぎのっとるべき処なり。皆々よく心懸くべし。これすなわち孝行と申すものなり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
その国を愛するの情は武王自身または太公望呂尚たいこうぼうろしょうにも譲らなかったろう。彼のには憂国より一層高いものがあって、その高いものにのっとって始めて愛国が意義をなすのである。
真の愛国心 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
かの灑掃応対進退の節と説き、寡妻にのっとり、兄弟に及ぶと云い、国を治むるのもとは、家を治むるにありと云い、家整うて国則整うと云い、其の家庭の問題を如何に重大視したか
家庭小言 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
巍の言にいわく、我が高皇帝、三代のこうのっとり、嬴秦えいしんろうを洗い、諸王を分封ぶんぽうして、四裔しえい藩屏はんぺいたらしめたまえり。しかれどもこれを古制に比すれば封境過大にして、諸王又おおむ驕逸きょういつ不法なり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
一、遠くは本邦古先帝王にのっとらせられ、近くは魯西亜ロシアのペートルにのっとられたき事
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
孝孺喪服そうふくして入り、慟哭どうこくしてかなしみ、声殿陛でんへいに徹す。帝みずからとうくだりてねぎらいて曰く、先生労苦するなかれ。我周公しゅうこう成王せいおうたすけしにのっとらんと欲するのみと。孝孺曰く、成王いずくにかると。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)