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母君
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はヽぎみ
是れにても
同胞かと
思ふばかりの
相違なるに、
怪しきは
母君の
仕向にて、
流石かるがるしき
下々の
目に
立し
分け
隔ては
無けれども、
同じ
物言ひの
何處やら
苦がく
更けて
軒ばに
風鈴のおと
淋しや、
明日は
此音いかに
戀しく、
此軒ばのこと
部屋のこと、
取分けては
甚樣のこと、
父君のこと
母君のこと、
平常は
左までならぬ
姉妹のこと
何ごとぞ
飽くまで
優しき
孝行のこヽろに
似す、
父君母君が
苦勞の
種の
嫁いりの
相談かけ
給ふごとに、
我まヽながら
私し
一生ひとり
住みの
願ひあり、
仰せに
背くは
罪ふかけれど