そのために雀だけは親の死目にあってよろこばれ、啄木鳥はとうとう間にあわなかったので、今でも飛白の好い着物は着ているが
彼は親の死目にさえ会わなかった。こんな書付が自分の眼に触れないで、長い間兄の手元に保管されていたのも、別段の不思議ではなかった。
私は彼女の死目に會はなかつた。娘達は孰れもゐなかつた。二人は翌朝私の許に何も彼も終つたことを告げに來た。そのときにはもう彼女は入棺されてゐた。
あの野郎が後で死目に会わなかったと愚痴でも出ちゃアならねえと思いまして、虫が知らせたのか急に会いたくなりましたから、お忙がしい処とは存じながら
「それではわたしが困ってしまいます、もし連合いにでも亡くなられてしまったら、わたしは死目に会えないじゃございませんか、助けると思ってお通し下さいまし」