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櫛笥
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くしげ
ふりがな文庫
“
櫛笥
(
くしげ
)” の例文
かの女は、良人にもだれにも
冒
(
おか
)
させない
塗籠
(
ぬりごめ
)
の一室をもち、起きれば、
蒔絵
(
まきえ
)
の
櫛笥
(
くしげ
)
や鏡台をひらき、暮れれば、
湯殿
(
ゆどの
)
ではだをみがく。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それは、巳之助丸の生母が、
櫛笥
(
くしげ
)
左中将
隆致
(
たかむね
)
の
女
(
むすめ
)
だったからである。彼女は貝姫といい、その姉の
逢春門院
(
ほうしゅんもんいん
)
は後西天皇の御生母であった。
樅ノ木は残った:01 第一部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
折々
(
をり/\
)
の
空
(
そら
)
の
瑠璃色
(
るりいろ
)
は、
玲瓏
(
れいろう
)
たる
影
(
かげ
)
と
成
(
な
)
りて、
玉章
(
たまづさ
)
の
手函
(
てばこ
)
の
裡
(
うち
)
、
櫛笥
(
くしげ
)
の
奧
(
おく
)
、
紅猪口
(
べにちよこ
)
の
底
(
そこ
)
にも
宿
(
やど
)
る。
龍膽
(
りんだう
)
の
色
(
いろ
)
爽
(
さわやか
)
ならん。
黄菊
(
きぎく
)
、
白菊
(
しらぎく
)
咲出
(
さきい
)
でぬ。
可懷
(
なつかし
)
きは
嫁菜
(
よめな
)
の
花
(
はな
)
の
籬
(
まがき
)
に
細
(
ほそ
)
き
姿
(
すがた
)
ぞかし。
五月より
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
櫛笥
(
くしげ
)
の
蓋
(
ふた
)
をすることが
楽
(
らく
)
に出来るし、蓋を
開
(
あ
)
けることも
楽
(
らく
)
だから、夜の明けるの「明けて」に続けて序詞としたもので、夜が明けてからお帰りになると人に知れてしまいましょう
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
わが油じみし
櫛笥
(
くしげ
)
の底をかき探れば
そぞろごと
(旧字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
▼ もっと見る
で、小宰相の方も、能登ノ介清秋を、こわらしい武者などと恐れてはいず、今も、
櫛笥
(
くしげ
)
をとりかたづけて、すぐ濡れ縁へ寄っていた。
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
すなわち、上皇の御生母逢春門院は、
櫛笥
(
くしげ
)
左中将
隆致
(
たかむね
)
の
女
(
むすめ
)
であり、綱宗の生母はその妹の貝姫である。
樅ノ木は残った:04 第四部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
我が油じみし
櫛笥
(
くしげ
)
の底をかき探れば
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
三位
(
さんみ
)
ノ
局
(
つぼね
)
、阿野
廉子
(
やすこ
)
は、仰せと聞くと、いま夕化粧もすましたばかりなのに、もいちど
櫛笥
(
くしげ
)
ノ
間
(
ま
)
へ入って、鏡をとりあげ、入念に
黛
(
まゆずみ
)
や
臙脂
(
べに
)
をあらためてから立った。
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
すました
櫛笥
(
くしげ
)
などを片寄せながら、さりげなく
簾
(
す
)
の蔭で
答
(
いら
)
えていた。
私本太平記:07 千早帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
櫛
漢検準1級
部首:⽊
19画
笥
漢検準1級
部首:⽵
11画
“櫛笥”で始まる語句
櫛笥左中将隆致