“くしげ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:クシゲ
語句割合
櫛笥66.7%
櫛匣26.7%
6.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それは、巳之助丸の生母が、櫛笥くしげ左中将隆致たかむねむすめだったからである。彼女は貝姫といい、その姉の逢春門院ほうしゅんもんいんは後西天皇の御生母であった。
ところが、やがて泣きやむと、波路はするすると千鳥棚の下へ寄ってゆき、コトリと、櫛匣くしげの蓋をとっている。上目づかいで、良人が見ているなどは、おそらく意識の外だったろう。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そうした大名にも出来ない気ままが、家のうちに充満して、彼女のくしげには何百両の鼈甲べっこうが寝せられ、香料の麝香じゃこうには金幾両が投じられるかわからなかった。