森影もりかげ)” の例文
太陽たいようは、ひがしからて、西にししずみました。けれど、あのくろ森影もりかげからがって、あのたかくもひかやまのかなたにしずむのではありませんでした。
山へ帰りゆく父 (新字新仮名) / 小川未明(著)
三郎さぶろうは、あやしんで、四辺あたりまわしましたけれど、空色そらいろ着物きものをきた少年しょうねん姿すがたはどこにもなかったのです。三郎さぶろうは、森影もりかげあてに、そのうちかえりました。
空色の着物をきた子供 (新字新仮名) / 小川未明(著)
さきのとがった森影もりかげが、まぶしいひかりかすんでいて、とおくの地平線ちへいせんには、しろくもあたまをもたげていました。
白い雲 (新字新仮名) / 小川未明(著)
よるそらは、ぬぐったガラスのように、うるおいをふくんでいました。つきがまんまるくそらがって、あたりの建物たてものや、また森影もりかげなどが、たようにられたのであります。
銀のつえ (新字新仮名) / 小川未明(著)
いえうちでは、なんだか大騒おおさわぎをするようなようすでありましたから、まごまごしていてらえられてはつまらないとおもいましたので、一声ひとこえたかくないて、遠方えんぽうえる、こんもりとした森影もりかげあてに
めくら星 (新字新仮名) / 小川未明(著)