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有相
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ありさう
彼は
自分が一
緒に
居る
時は
互に
隔てが
有相で
居て、
自分が
離れると
俄に
陸まじ
相に
笑語くものゝ
樣に
彼は
久しい
前から
思つて
居た。
「どうしたつちこともねえがなよ、
俺らこつちの
方通つたもんだから
一寸踏ん
掛つて
見た
處さ」おつたは
何か
理由の
有相な
口吻で
輕くいつた。
彼は
膳に
向はうともしないが
火鉢の
前にどさりと
坐つた
儘、
例の
蟠りの
有相な
容子をしては
右手の
人さし
指を
掛けてぎつと
握つた
煙管を
横に
噛んで
居た。