會式ゑしき)” の例文
新字:会式
また、大通おほどほりの絹張きぬばり繪行燈ゑあんどう横町々々よこちやう/\あか軒提灯のきぢやうちんも、祭禮まつりやみはう相應ふさはしい。つき紅提灯べにぢやうちん納涼すゞみる。それから、そらえた萬燈まんどうは、しものお會式ゑしきおもはせる。
祭のこと (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
すみれと云ふ花をも此川の縁で覺えた。寺にお會式ゑしきの有つた春の夕、祖母と此坂路を降つて來ると、祖母が、「ああここにはこんなに菫が咲いてゐる。それが菫といふ花だよ」
すかんぽ (旧字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
たち私しは日蓮宗にちれんしう故十月會式ゑしきに甲州身延山みのぶさんへ參詣のもどり瀬戸川迄歸り來りし時盜賊たうぞく出會であひし旅人難儀なんぎてい故見兼まして其盜賊たうぞく追散おひちらし私し儀さいは旅籠屋はたごやの事に付右の旅人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
見忘れたか汝等能く聞け身延山みのぶさん會式ゑしきもどり罪作りとは思へども見るに忍びぬ此場の時宜しぎいのち暫時ざんじたすけ船七十五里の遠江灘とほたふみなだ天窓あたまの水先押まげて尻を十ぶんまくに早くみなとにげ込て命ばかりの掛り船ドリヤかぢ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)