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旅鞄
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たびかばん
ふりがな文庫
“
旅鞄
(
たびかばん
)” の例文
遂
(
つひ
)
に彼はこの
苦
(
くるしみ
)
を両親に訴へしにやあらん、
一日
(
あるひ
)
母と娘とは
遽
(
にはか
)
に身支度して、
忙々
(
いそがはし
)
く車に乗りて出でぬ。彼等は
小
(
ちひさ
)
からぬ
一個
(
ひとつ
)
の
旅鞄
(
たびかばん
)
を携へたり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
下坂
(
くだりざか
)
は、
動
(
うごき
)
が
取
(
と
)
れると、一
名
(
めい
)
の
車夫
(
しやふ
)
は
空車
(
から
)
を
曳
(
ひ
)
いて、
直
(
す
)
ぐに
引返
(
ひつかへ
)
す
事
(
こと
)
になり、
梶棒
(
かぢぼう
)
を
取
(
と
)
つて
居
(
ゐ
)
たのが、
旅鞄
(
たびかばん
)
を
一個
(
ひとつ
)
背負
(
しよ
)
つて、
之
(
これ
)
が
路案内
(
みちあんない
)
で
峠
(
たうげ
)
まで
供
(
とも
)
をすることになつた。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
車のあとより車の多くは
旅鞄
(
たびかばん
)
と客とを載せて、一里先なる
停車場
(
すていしょん
)
を指して走りぬ。
膳
(
ぜん
)
の通い茶の通いに、久しく
馴
(
な
)
れ
睦
(
むつ
)
みたる
婢
(
おんな
)
どもは、さすがに後影を見送りてしばし
佇立
(
たたず
)
めり。
書記官
(新字新仮名)
/
川上眉山
(著)
時雄の激しい
頭脳
(
あたま
)
には、それがすぐ直覚的に明かに映ったと云うではなく、座敷の
隅
(
すみ
)
に置かれた小さい
旅鞄
(
たびかばん
)
や
憐
(
あわ
)
れにもしおたれた白地の
浴衣
(
ゆかた
)
などを見ると、青年空想の昔が思い出されて
蒲団
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
旅鞄
(
たびかばん
)
開
(
あ
)
けて
著
(
き
)
なれし
古浴衣
(
ふるゆかた
)
七百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
▼ もっと見る
旅鞄
(
たびかばん
)
を膝に載せて
心の姿の研究
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
旅鞄
(
たびかばん
)
そのまゝ
座右
(
ざう
)
に冬籠
六百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
旅
常用漢字
小3
部首:⽅
10画
鞄
漢検準1級
部首:⾰
14画
“旅”で始まる語句
旅
旅籠
旅籠屋
旅人
旅宿
旅行
旅館
旅商人
旅立
旅舎