放埓はうらつ)” の例文
縦令たとひ石橋いしばしたゝいて理窟りくつひね頑固ぐわんことうことの如く、文学者ぶんがくしやもつ放埓はうらつ遊惰いうだ怠慢たいまん痴呆ちはう社会しやくわい穀潰ごくつぶ太平たいへい寄生虫きせいちうとなすも、かく文学者ぶんがくしや天下てんか最幸さいかう最福さいふくなる者たるにすこしも差閊さしつかへなし。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
神田三河町二丁目家持五兵衞元召使三州藤川在岩井村百姓久左衞門悴當時本石町二丁目甚兵衞店六右衞門方同居久八二十九歳 其方儀元主人五兵衞召使めしつかひ千太郎身持みもち放埓はうらつに付其方兄分の好身よしみ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いへつてはまごもりをしたりしてどうしてもひとりはなれたやうつて各自てんで暢氣のんきにさうして放埓はうらつなことをうてさわぐので念佛寮ねんぶつれうたゞ愉快ゆくわい場所ばしよであつた。彼岸ひがんけてはこと毎日まいにち愉快ゆくわいであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
所で私はその男を或る若い道樂者の子爵として見知つてゐたのです——馬鹿な上に放埓はうらつな男で、社交界で折々顏は合せてもつひぞ嫌つてやらうとも思はなかつた程に全然輕蔑し切つてゐた奴なんです。
をんなたちの放埓はうらつはこの右の手のかがみにうつり
藍色の蟇 (新字旧仮名) / 大手拓次(著)
放埓はうらつのわが悔に、初戀の清き傷手いたで
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)