まき)” の例文
おゆうはまだ水気の取りきれぬ髪のはじに、紙片かみきれまきつけて、それを垂らしたまま、あたふた家を出ていった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
しなかまどまへこしけた。しろにはとり掛梯子かけばしごかはりけてある荒繩あらなはでぐる/\まきにしたたけみき各自てんでつめけて兩方りやうはうはねひろげて身體からだ平均へいきんたもちながらあわてたやうにとやへあがつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
じっと見ると、ただやっぱり白い……が、思いなしか、その中に、どうやら薄墨で影がさして、乱しもやらず、ふっくりびんまとまって、濃い前髪の形らしく見分みわけがつく、と下からまき上がるごとく
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そのころになると父の店もやや調ととのい、棚の前通りにズックの学生靴やまきゲートル、水筒にランドセルなど学生向きのものも並べてぼつぼつ商いもあり、滝に打たれたせいか父の頭も軽くなり
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)